第20話 ウサギ

学校


以前とは変わらない生活・・・


浩太くんの周りには、相変わらず女生徒が群がっている。

愛想良くは振る舞っているが、浩太くんは眼が笑っていない。


でも、互いのためにも、学校では会話はしないほうがいいだろう・・・


「太陽くん」

「ルナさん?」

「月見草の種、どうしてる?」

「冷蔵庫に保管しているよ、どうして?」

「ううん、確認のため・・・」

2月だったな・・・確か・・・


「ねえ、太陽くん」

「どうしたの?」

「地球のウサギって、どんな生き物?」

「月とは違うの?」

「うん、月のウサギは、進化しているみたいだから・・・」

「そっか・・・」

話していいのか?


「まず、水が苦手で、命を落とす」

「うん」

「一羽にすると、死ぬ」

「羽?」

「ウサギは、一羽二羽って、数えるんだ」

「そうなんだ・・・それから?」

前に教えた気がするが・・・


「後。食用とされている」

その言葉に、ルナさんは驚いていたが・・・


「でも、知ってるはずだよね?月のウサギの伝説は・・・」

「あっ、そういれば・・・」

自分の父親でしょ?ルナさん・・・


「ども、どうしていきなり?」

「ううん、ごめんね。」

「いや、いいけど・・・」

何か言いたそうだが、女心はわからん。


詮索しない方が吉。


「ところで、こんなの見つけたんだけど・・・」

ルナさんは、画像を見せる。

そこには、オレンジ色のウサギのキャラがいた。


「ウサギだよね?この子・・・」

「うん、そうだけど・・・」

「かわいくないね」

ルナさん、それは言わない方が・・・


確かに出てきた時は、とても不評だったが、

最近は、当時よりは浸透しているようだ。


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