第23話 真の目的
目的地についた。
こだまとはいえ、新幹線。
早い・・・
まあ、同じ形式なんだから、当たり前だが・・・
「太陽くん、きれいだね」
「そうだね」
ルナさんの方が奇麗・・・
だなんて、臭いセリフは、今時、バカップルでも言わない。
しゃれで言う事はあっても、心からは言わない。
多分・・・
「太陽くん、撮影完了。行こうか?」
「えっ、もういいの?何しに来たの?」
「撮影」
「それだけ?」
「うん」
ルナさんは、即答する。
なら、僕を誘わなくても・・・
「なーんてね。本当は、別の目的があるんだ」
「別の?」
そっと腕をからませてくる。
「こうやって、太陽くんと歩くの、夢だったんだよ」
「前にもなかった?」
「予知夢じゃない?」
ルナさんは、とぼけてみせる。
「で、どこへ連れて行く気?まさか富士山?」
「違うよ」
「じゃあ、どこへ?」
まさか、樹界じゃないよね?
「駅」
「帰るの?」
「ううん。名古屋へ行くんだよ」
「何しに?」
「ひつまぶしを、食べに」
ひまつぶしという、言い間違いがあったな・・・
「さあ、行こう」
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