第12話 かっこつけ
僕は、気がついたら、女子の群れの前にいた。
「なによ、あんた。何か文句あるの」
予想通りの答えだ。
「俺が、ルナさんから、離れればすむ事だろ?
もう、ルナさんとは関わらないから、これまで通り仲良くしてやってほしい」
深々と頭を下げた。
「何、かっこつけてるの?」
「ばかじゃない」
そうだな・・・そう言うよな・・・
「そう取り足りのなら、勝手に取ってくれ。
とにかく、俺の事で、ルナさんを、いじめないでほしい」
それだけ言うと、元に戻った。
これで、女子のいじめの矛先は僕になる。
そう信じたい。
下校時
ルナさんが、待っていた。
「太陽くん・・・」
「・・・ルナさん・・・じゃあ」
「待って」
手首を掴まれる。
「私は、そんなに弱い人間じゃないよ」
「・・・わかってる・・・君は強いよ、でも・・・」
「でも?」
「いや、いいわけはしたくない・・・」
僕は、靴をはきかえ、帰ろうとした。
「ねえ、太陽くん」
「ん?」
「お願いだから、もっと、自分を大事にして、褒めてあげて・・・」
なんだ?初めて見る表情だ・・・
「で、これからなんだけど・・・」
「うん」
「お花屋さんに、一緒にいってほしいんだ」
「・・・どうして・・・僕と・・・」
「買いたい花があって、見て欲しいの・・・」
なぜ、どうして悲しい表情をするんだ・・・
「花なら、女のほうがくわしいだろ」
「お願いだから、そんな悲しい事言わないで・・・」
ルナさん、君は何者だ?
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