第29話 陽と陰

「太陽ちゃん、ただいま」

「お帰りお姉さん」

姉はすぐにルナさんに気がついた。


「太陽ちゃん、彼女出来たんだ。

でも、世中に入れるのは、どうかと思うぞ」

軽くおでこをつつかれる。


ルナさんは、挨拶をする。

「初めまして。太陽さんのご学友の、月野ルナと申します。

遅くにすいません。両親の承諾は得ております。

今日は、私が、お姉さんに用事があり、訪問させていただきました。」


そういえば、ファミリーネームは月野だったな。

忘れてた。


「あっ、ご丁寧にありがとう。私は太陽の姉のポロン・・・じゃなかった陽子。

よろしくね、ルナちゃん」

「よろしくお願いします」


丁寧に紹介をしている。


「で、ルナちゃん、私に用と言うのは?」

「真面目にお伺いします。接客の仕方を教えてください」

「接客?」


そう、姉は接客業の仕事をしている。

くわしくは・・・言えない。


「太坊、話したな」

姉が、コブラツイストをかけてくる。


「いえ、違います。太陽くんからは、伺っていません」

「ならどうして?」

「私の父が、何度かお会いしていますので、それで・・・」

「そうなんだ」


ウソだな。


「で、そのお父さんって、どんな人」

ルナさんは、説明する。


「ああ、あの方の、ご息女さん?なら、そう言ってよ。

OK.教えてあげる」


すっかり、打ち解けたようだ。


しかし、よく出てくるな、そんなフェイク。


「太陽くん、フェイクじゃないよ。実話」

ルナさん・・・

これ以上、ややこしくしないで下さい。

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