戴冠式
結婚式の用意と同時進行させていたのが、戴冠式への用意…なのよねぇ。
結婚式はウェディングドレスで、戴冠式は
ローブ・デ・コルテ?う~ん…判らないわね。
肩から
正式名称すら知らないけど、右肩から左下に掛けるリボン。
アレの長さも測ったのよねぇ。
アレン様、結婚式は白の騎士服だったけど、戴冠式は騎士団団長としての衣装ともなる黒だって言ってたわね。
金色の刺繍が施されたリボンを留める飾りは、騎士団の象徴だって聞いてる。
想像しただけで萌え~・・・になるけど、私もしっかり学ばないとならない。
何せ一般市民だったのだから、そんな大層な儀式なんて、知らないってか見た事すら無いもん。
あれこれと考えを巡らせたサーヤは、侍女たちの手によって、正装に身を包みリボンを右から左に装着すると、別室で警備の確認をして着替え終えたアレンが室内に戻って来て、美しく変貌した妻に惚れ直したのは言うまでも無い。
「サーヤ・・・挙式の時と打って変わって王妃らしくなった。綺麗だ」
「も、もうっ!アレン様、茶化さないで下さいませ!!」
「さあ。各国の王族も見守ってくれているから行こう」
「・・・はい・・・」
* * * *
グラシオールを中心に据えると右側の国がフーランス帝国、左側がアリメカ王国、上にイータリア国、下にヴェーネチェ国・・・そう教えて貰った。
戴冠式に参加を表明したのはフーランス以外だった。
かの国は聖女を攫った上に強姦し、洗脳してしまうからアレンは招待状を出さなかった。
それが引き金で戦争が起きても最強の騎士、サクヤがいる。
彼を右腕にして自分も戦えば、勝機はあると踏んでの事。
各国王族が参加する謁見の間。
そこには王と王妃そして宰相が一言一句、間違えてなるものか!と緊張して、新しい王となるアレンと王妃サーヤを出迎えた。
新たなる王としてアレンが選ばれ、妻であるサーヤが新たな王妃として、各国に認識され、祝砲が鳴り響く。
「わたしの至らぬ行為で、
傷つけてしまった聖女様を癒してくれた事、有難く思う。
そして聖女様を幸せにして欲しい」
「勿論で御座います」
あえてアレンは王と呼ばなかった、父とも呼ばなかった。
それは聖女で有るサーヤを思っての事だった。
* * * *
サーヤに腕を差し出し、エスコートしながらバルコニーへ向かう。
王として…王妃として初の行事は「お披露目」
アレン王子ではなく、新たな王となった事を民に宣言し、妻で聖女のサーヤを紹介し、生まれ変わる事になるグラシオールが祝福ムードに包まれ、廃墟と化して居た王都シオールも活気が戻って行く事となるだろう
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