新たな牢屋で知る真実2
「誰からも説明をされず、
誰も手を貸さず、
何より誰1人として残る事なく、
去った屈辱を味わって貰おうかしら…」
「どうか!どうかお許し下さいませ聖女様っ!!」
「そうだわ。良い事を思いついた。
フフフ…龍王様は私の声を聴いていらっしゃるのでしょう?
だったら願い出れば叶えてくれるかしら?」
サーヤは、ちょっとだけ意地悪な言い方をして、反省してくれれば良いなと思い、考えられる願いを龍王に伝えて見ようと思ってしまったのだ(傷ついた心では素直に謝罪を受け入れたくないと思ったのかも知れない)
そして唯一、彼女の言う事に従う龍王は、全ての成り行きを見守っていたからこそ、即座にサーヤの言葉への返事を返す事が出来たのだ。
『聖女の願い
しかと
「発言した言葉の後に
『龍王様に願いましょうか』と言った言葉を、
封じる事は出来るわよね?」
『勿論だ』
「王妃様に科する更なる烙印は、
何にしようかしら…」
「ごめんなさい・・・
ごめんなさい・・・許してっ」
『そやつめは罪を他人に押し付ける気持ちを、
持ち合わせておったな』
「そう。そんな無責任な事を考えていたのなら、
謝罪の言葉を封じる事を龍王様に願いましょうか」
王妃に刻まれたエヴァンの烙印に追加される形で、謝罪の言葉を封印されてしまった。
「ああっ…ああっ…私が、
罪を他人に押し付けるような考えをしなければっ…
聖女様の怒りを買う事も無かった。
「王様は…そうね。
聖女としての私を記憶から消す事を龍王様に願いましょうか」
「そ、そんな!」
聖女と言えなくなるだけでなく、サーヤでありサクヤが聖女だと言う事自体が封印され、王には聖女が誰であるかなど、判らない状態にさせられた。
「宰相様は私の存在に気付いた上で、
聖女と気づいていたにも関わらず、
王子と共に置き去りにしたのだから、
聖女と発する事を禁じ、
鑑定する事も禁じる事を龍王様に願いましょうか」
「お、お許しをっ!!」
キィ~ン…と音が鳴り、宰相の額に小さな魔法陣が描き出され、彼に対する罪の烙印が刻まれた。
聖女と言う事も出来ず、鑑定を掛ける事も出来なくなった宰相は、力なく、その場に
「馬鹿王子は言葉が封じられてるいものね。
それ以上の烙印は要らないわ」
「アレン様に烙印が押されるか否かは、
彼の行動によりますので覚悟なさって下さいませ」
と念を押すように伝えた。
(真摯な態度を取るのであれば、
彼に烙印を押す事は無いでしょう。
そして龍王様、私は王様と王妃様が心から悔い改めた暁には、
烙印の解除を願い出ても良いかしら?)
竜王に対して念話を送ると
【そなたは変わり者なのだな。
普通なら自分の人生が終わる瞬間まで、
烙印を押した状態にしたいと望むものを…】
飽きれたように返事を返されたのだ。
(そうね。少し変かも?
聖なる村も落ち着き始めれば、
アレン様に疑われる事も減るでしょうし、
正体を明かす日も近いかしらねぇ。
ま、なるようにしかならないのが、
定めってトコかしら?)
サクヤはアレンが聖女である、と言う事に気付くのも近いだろうと覚悟していた。
ただ、気づかれてしまった後の待遇が、どうなるかと言う不安は拭いきれていないのだった
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