色々知りましたが怒りしか有りません!

 宰相様に案内された場所は、恐らく王城の応接室。


 入り口側に宰相様が着席、私は促された部屋側に座り事の起こりを聞かされる事になりました。


 ここはグランシオール王国の王都シオールで300年に1度の大災害からまぬかれる為、異世界の聖女(純潔を保った女性)を召喚する儀式を行い呼び寄せ、その厄災から国を守って貰うと言う事を今年、行う事になったらしい。


 そして本来なら「1人の少女しか呼び出される事は無い」のに「私も呼び出しの魔法陣に引っかかった」と言う事だそうだ(迷惑極まれり)


 そして聞かされたのは王都とは言え周辺は魔物が住む森が多く点在し、何も装備をせずに出てしまうと即座に死んでしまう程の危険な状態になって居ると聞かされガクブル…飛び出さなくて良かった(騎士様ありがとー)!


 そして一番大事な事が異世界にほん戻れるのか否か。


 小説の定石で「戻れない事には」気付いてますけどねー聞かないと。


「それで?

 巻き込まれたの私は

 戻れるんですよね!?」


「召喚しておきながら本当に申し訳ないのだが、

 戻る事は・・・」


「出来ないと言うのね?!

 だったら私に武器と金銭と自由を下さい。

 それくらい簡単に出来ますよね!?」


 ちょ~っとだけ脅してみましたら、あらぁ~宰相様の顔色を真っ青にしちゃいました~。


 あはは!少しはスルーされた女性の気持ちを汲みやがれってんだ!


「そ、それは・・・」


「あら出来ないとでも言うのかしら?

 あれだけの人数が居たにも関わらず

 『誰1人として私に声を掛ける事がない状態』だった、

 と言うのに?」


 正論で~す。さーて宰相様は如何どうなさるのかしらねぇ~。楽しみ!


「……判りました…

 『聖女様』の願いを叶える用意を致しましょう」


 わーい!これで自由を満喫できるわ。


 どうせ、こう言う世界ならば女騎士も居るでしょうから、女性用の剣すら存在するでしょうし、通貨の呼び方と言うのかな~。


 日本なら円、アメリカならドル…ここなら?ですねー(棒読み)


 数分後、宰相様の手には剣と足元が裸足の為なのでしょう、靴と動きやすそうな服装を持って居ます。


(奥様や城に務める侍女の方にでも女性用の服を用意させたんでしょうか。

 まあ、そこ褒めて差し上げますわよ)


「本当に、この城から外へ行くつもりなのですね?」


 念押し・・・しやがったからガタっと椅子から立ち上がって、そこが1階だと判って居て近くの窓まで行き開け放ち、ヒョイっと外へ行き


「さっさと金子と剣、出しなさいよ!

 もう1人の方需要は無いんでしょ?

 だったら私を開放しなさい!!」


 と言ってみました。


 怒る…と言う感情を押し殺して来た影響が…ここで発揮されるとはねぇ…。


 いじめられっ子世にはばからず…だったかしら?


 苛められ続けると反動が出るって意味…違うよね~(白目)


「も、う、疑って申し訳ありません!ですので戻って来て下さい」


 うわぁ~、人って慌て過ぎると言葉すら混乱をきたすモンなのね(初めて見た…)


「…2度目無いわよ」


 意地悪な言い方してみましたぁ~。


 本来なら宰相様クラスの方を見下すと不敬扱いとなり処刑対象になるのでしょうけれどね…何せ「間違って召喚した」んですもん、殺したり出来る訳ないよね~(ざまぁ!)


 渋々、室内に戻り通貨の単位がエンダーで(円を伸ばしたのような気もするけど、そこは突っ込みません)


 衣装は女性騎士が着用できなくなってしまった古着。


 剣は引退した女性騎士の品だそうです(どちらも貴重でしょうに。申し訳ないわ)


 受け取った私は別室で頂いた服を着用し、剣を腰に装着…これだと冒険者には見えないわね。


 見た目が異世界にほんで異質…でしたから…違和感ありまくり~。


「本当に…お気をつけ下さい。

 王都に一番近い村でさえ1日掛かる距離で、

 その間も魔物が襲って来る地域ばかりなのです。

 どうか…どうか無事に…」


「(うっさいな~)こうなってしまった原因が、

 『あの』王子様に有り、

 『召喚した事に有る』と理解しての発言ですか?」


 そう…元々の元凶が、あの王子と召喚せざるを得ない状況を放置して来た事に有のだろうと突きつけた。それを聞いた宰相様は、それ以上の事は口に出す事は…しませんでした

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る