メリーが知った真実
サーヤと言う女性がサクヤと名を変え、村で暮らす事となったと知ったのは、長老から呼び出され、イアンさんたち夫婦から教えられた時だった。
* * * *
「えっ!?まさか…そんな!
エヴァン様が聖女様と鑑定せずに、
別人を伴って行かれただけでなく、
聖女様を放置なさったのですか?!」
長老から呼び出された
「落ち着いてメリーさん…。
召喚しておいて放置した王家には既に、
復讐を初めているから安心して?」
そんな事を聞いていた時に王城から聖女様が「指名手配」された、と伝達がされ、サーヤは怒り心頭…性別を偽り、独眼となって村に居座ると宣言し、その日からサーヤはサクヤになった。
* * * *
彼女…いいえ彼の
女子供にやさしく、あらゆる難問も少し考えるだけで解決まで導く手腕。
彼が女性だと知らない村娘たちが彼のハートを射止めたいとばかりに、あれこれと世話を焼こうとするけど、そのすべてをサクヤは綺麗に交わしてしまうのだから凄い。
村が魔物に襲撃されそうになった時は、真っ先に剣を持ち1人で10人くらいの活躍を見せたものだから、私でさえもキュン…と胸が
でも私は、1人の男性が気になって仕方なくなっていた。
「メリー、サクヤが手伝って欲しいってさ」
「レ、レイ?!そ、そう…サクヤの自宅で良いのかしら」
「いや…今、村は野戦病院と化しているから、
その手伝いをして欲しいんだ」
「えっ!?」
正直、サクヤは医術の魔法を駆使できると言うのは、最近気付いた事ではあるけれど、まさか、第一騎士団がSS級の魔物と対峙し、多くの騎士が怪我を負い、村に運ばれて来るなど、予想してなかったわ。
「サクヤから赤、黄、青だったかな?
布を集めて欲しいって言われて俺は、探しまわってるんだ」
「す、直ぐ行くわ!」
私はレイに想いを寄せ始めていたからこそ、その願いは届かないかも知れないと覚悟していた。
騎士団の手当てに奮闘するサクヤを手伝いたくて申し入れたけれど、軽傷の騎士しか手伝わせて貰えなかった。
(腕が落ちそうな人や、
足を切り落としてしまった人たちを、
サクヤが魔法で繋いでいた、
とレイから聞いた話で青ざめたのは言うまでもないわ)
* * * *
瞬く間に日々は過ぎて行き、私が男爵家の息子から言い寄られてしまい、湖を背にしてしまったが為に逃げ出せなくなった所をサクヤが
「俺の彼女に何か?」
と言って助け出してくれた。
その事を聞いたレイが物凄く真っ青になって
「メリーが変なのに絡まれ続けるのは俺が耐えられない!
サクヤのように恰好よく、
助け出す事も出来なかったかも知れない。
だけど…メリーを想う心は誰にも負けないと言える!!
だから俺と結婚してくれ!」
一気に捲し立てるように告白してくれたレイに私は
「はい」
とだけ答え、レイからの求婚を受ける事にした。
(勿論、サクヤには気づかれていて幸せになりなさい、
と聖女の祝福をこっそり、してくれたのは内緒♪)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます