したためた手紙
* * * *
自宅に戻ったサクヤは早速、手紙をしたためる為、自宅に結界を施す事を忘れなかった。
(
誰が訪ねて来るか判らないし、
レイなんてノックしないで勝手に入って来てしまうからなぁ。
奴は完全に俺が男だと思って居るから
内側の声も時々しか女性の言葉遣いが出なくなってしまっている。
アレンと面会する時に違和感が出てしまうだろうが、そこは前もって手紙に書き記そうと腹を括った。
「さてと、書き出しの文章としては相手の名前から…で良いか」
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アレン・グラシオール第二王子様
通達拝見いたしました。わたくしは聖女として召喚され置き去りにされ
誰からも助けられる事なく無視された者でございます。
第一王子様は一緒に召喚されてしまった15~18歳と思われる男性を
伴い、いずれかへ消えて行かれ魔法陣を施したで有ろう人々も去り
見守っていたであろう宰相様にも手を貸して頂けず王城から去るしか
残されておりませんでした。
罪人が如く手配を受け、身分や性別を偽らざるを得なくなり
心を傷つけてしまいました。
まあ、あの通達にて間違って男性を連れて行った方が第一王子様と言う事を
初めて知りましたし、名前も初めて知る事となりましたので、この手紙では
そのように書かせて頂きました。
そして今回、手紙にて連絡をさせて頂きましたのは
アレン様と面会いたしたい、と思ったからで御座います。
どうぞ1人で下記の場所まで来て頂けますようお願い申し上げます
日時:某日の午前中
場所:旧グラシオール王城前
無視された聖女
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「こんなもんで、いいだろう」
壊れてしまった心を「どう」癒すのか楽しみだけど、態度次第では世界を滅ぼす方向に持って行くのもアリ…だよな?その場合は龍王様に世界破滅をお願いするかな?
聖女の傷ついた心を癒す唯一の方法は、心からの愛…それしか救えない状態にまでなってしまった。
手紙を丁寧にたたみ、封書に入れ、封筒の渕に蝋を塗り温め封を閉じ、机の中に収納。
その引き出しには自分以外が開けようとすれば拘束してしまう、と言う魔法を組み込んで眠りについたのだ
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