第11話 記憶喪失
「記憶がないか…。それは良いアピールポイントになるね!キャラを作る上で、その人の過去ってのは重要なポイントになるからねぇ」
「えっ?そ、そうなんですか…?」
「そうだよ。昔の思い出はないけど、今を前向きに生きるために頑張る、なんて泣かせる話になるじゃない」
重い雰囲気で話したセレナの告白に180度違うテンションで反応するリズ。
「妹の記憶喪失を勝負の道具にしようと言うのか?」
本日何度目かの怒りモードのエリオがリズに強く問いかける。
「そうだよ。使えるものはなんでも使うのが勝利へのセオリーだからね」
「そんなの反対に決まっているだろ!」
「そんなこと言ってたら、この街から出て行くことになるよ。それにいいの?セレナちゃんはアイドルやりたかったんでしょ。せっかくちょうどいい機会なのに」
「そ、それは…」
「ちょっといいか?」
2人の会話を割るようにハルトが言葉を挟む。
「俺はこの勝負に勝ってエリオたちと今後もこの店をやって行きたいと思っている。だから、やっぱり2人のことを教えてほしい」
「ハルトさん…」
「2人を信じていないわけじゃないんだ。でも、少しくらい互いのことは知っておくべきだろ?」
立ち上がっていたエリオが近くにあった椅子に腰をかける。
「そうだな。しっかり雇い主である店長にはちゃんと話しておこう」
「お姉ちゃん…」
「セレナの記憶喪失は3年前、私たちが住んでいた村で起こった悲劇が原因だった。」
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