第17話 アリス家に行く
ファミレスでリリスと食事をした後、自宅方向へと歩いた。
80年も立つと細かい道が変わり、大道りは残っている。
大通りを30分ほど歩き自宅に近づく。
「たしかこの辺りの横道に入るはず」
と呟きながら道を探す。そして、それらしい道に入るが、道が変わりすぎて分からなくなった。
私は言いたい、キャンプでも迷子になって、ここでも分からないが方向音痴ではない! と心で宣言する。
諦めて大通りに戻り、近くの文房具店に入って道を聞いてみる。
「すみませーーん」
「はーーい何ですか?」
歳をとったオバちゃんが出てきた。地元の人だろうか?
「家を探しているのですが、XXXXXXXXXの住所わかりますか?」
「場所ね、ちょっと待ってね」
と言って、レジの方に戻っていく。
そして、薄いB5ノートの様なものを出してきた。
そして、表紙に触ると明るいスクリーンが出てきた。
スクリーンには壁紙とアイコンが並んでいる。
「えーと、地図地図……」
と言いながら、オバちゃんはアイコンを触る。
スクリーンに地図が出た。
そして、スクリーン内のボタンを押した。
「ここに、もう一度住所を言って」
と言ってオバちゃんはスクリーンの下を指した。
何このパソコン! 薄すぎ、マウス無い、キーボード無い。
ここに、住所位を言う?
「えーーと」
「えーーと、は無しでもう一度」
ダメ出しもらったーー、すみません。
オバちゃんはもう一度ボタンを押して、差し出した。
「XXXXXXXXXXX」
と住所を言う、するとスクリーン上部に言った住所が出る。
おおーー、人類も進歩している。不特定の音声認識!
そして、スクリーンは今居る場所と、入力した住所の場所を指す。
「ここが今いるとこ、ここが住所ね、分かる?」
スクリーンを指して説明するオバちゃん。
うっ、地図が覚えられない……
「それ印刷できますか?」
「はい、100円ね」
むむ、高いが物価が上がったのか、ファミレスも高かった。
「お願いします」
隣で見てたリリスが横から突っつく。
『覚えたけど?』
リリスに振り返って、しまったーーと思う。
『さすがリリス。でも、もう頼んだからそれで』
『了解』
しばらくして、オバちゃんが印刷した紙を持ってきた。
お礼を言って、お金を払って地図を入手する。
そして店を出る。
50代ぐらいのオバちゃんが、普通にコンピュータを使ってた。
80年のギャップは深かった。
「リリスーー、私は浦島太郎だった……
これでも超技術オタク少女と言われていたが、過去の人」
「80年は長い」
がっくりと肩を落として歩き始める。
しばらく歩いていくと目的の場所に着く、しかし家が無かった。
そこには、大きなマンションが立っていた。
周りの道も微妙に違う。
見慣れた建物も無い。
でも、自宅の場所だと分かる、周りの雰囲気が残っていた。
分かってはいた。分かってはいたが、がっくりきた。
「アリス、理解していたはず、80年は長い、元気を出す」
「うん、でも現実に80年の違いを見て実感すると、遠い所に来たんだなと思う」
気を落としながらリリスを誘って、通り道に有った公園に行き、ベンチに腰掛ける。
そして考え始める。
うーーん、自宅関係は何もなかった。
これは分かっていたこと、仕方が無い。
親の実家は親の曾曾曾孫ぐらいは居るかもしれないけど。
何処の誰かもわからないし、話しても理解されない。
同級の友人も今は97歳、流石に死んでるか、生きてても頼れない。
やはり零から何とかしないと、人類が危険、私の食料事情も危機。
当面は食料事情……… いや、人類の危機もついでに。
課題を列記するんだ。
まず、食料事情を解決するにも、お金が必要。
お金を稼ぐにも、住所と電話は必須。
住所と電話を手に入れるには、自身の証明が必要。
証明の目標は、日本国籍。
まずは、日本に私達が居ることを理解させる。
日本に理解させて、誰かの養子になる、又は保護者を見つける。
その為には。
1に、児童相談所に駆け込んで、日本に居る事を公的文書に残す。そして、保護者を見つける。打開策になるか不明。
2に、金持ちの社長を見つけお願いする。金持ちには身バレが危険、秘密は難しい、宇宙人だし。
3に、議員や有力者を脅す。最も危険、流石に無理っぽ。
4に、ヤクザを脅して優しくお願いする。武力は有るし危険はないけど、過激だし私に出来るのか?
5に、気の良さそうな人を見つけて保護してもらう。ラノベ展開のように、都合よく見つけられる気がしない。
6,零細の潰れそうな会社の社長を、問題のない技術で助けて、協力してもらう。身バレが制限できそう。
一番安全が、1の記憶喪失で迷子になり児童相談所。
一番身バレが無いのが、4のヤクザを脅す。ヤクザと戦っても勝てるし。身バレそうなら逃げればいい。
可能性が少し有るのが、6の零細企業かな? 安全そうで、身バレも制限できそう。
よし、まずは一番安全な児童相談所、だめなら逃げる。次がヤクザか零細企業。
一度児童相談所に行けば、内容は別に私達が居たと公的な書類に記載できる。
全く証明が無いより切っ掛けにはなる。
決心が着いたことでリリスに相談する。
「リリス、今後の予定を立たてみた」
と言って、今考えたことを話す。
「アリスの思うようにやればいいよ、危険は私が潰す」
過激発言きました!
「アリスは人類大使、私は当面表には出ないでアリスのサポートする。それでいいかな?」
「はい、ありがとう。先ずは出来る範囲で動いて、何か有ったら一緒にやろう、それでいいかな?」
「了解、それで行こう」
家に来たことで私の不安も吹っ切れた。
地球征服に向かって進む!
第一目標は食糧問題解決!
吹っ切れた私は行動を起こす。
そして、市内を歩いて回った後、基地に電車で帰る。
★★★★★ どこかの掲示板
【謎の美少女】岐阜のある町で謎のゴスロリ美少女現る。
1:学生A
俺の町で、めちゃくちゃ綺麗な、ゴスロリ美少女を見かけた。
下が画像だ!
↓
ttp://XXXXX.co.jp/XXXXXX/XXXXX/XXXX
誰か知ってる?
一人は銀髪、真紅の瞳、黒ゴス。
一人は黒髪、黒目、白ゴス。
見つけたら教えてくれ。
21:名無し
なにその、小さな妖精みたいな白と黒のゴスロリ美少女。
初めて見るが、知らないぞ。実物が見たい!
…………
578:名無し
今日市内に行く電車で見かけた。
こちらを見て手を振って微笑んでくれた。
もう死んでもいい!
…………
594:名無し
俺、市内で近くから見たぞ、マジ天使。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます