第15話 リリスにとってアリスの思考とは


★★★★★ リリスの心の中


 私にとってアリスの思考とは。ルール裁定演算ユニットに近い。

 ルール裁定演算は私の総ての思考ユニット1つに1つ存在する。そして無意識下で私の思考の裁定を行っている。

 私はその存在を意識的に理解していない。


 ルール裁定演算を意識するには、ルール裁定演算の人格を有意識に上げ。その人格と会話することでルール裁定演算の思考を理解する。ルール裁定の問い合わせに対する回答や非常時の指示がそれに当たる。


 現在数百万ある私の思考演算ユニット総ての思考の0・数%がルール裁定演算の思考であり。それら総ての思考をまとめてリリスと言う人格を持つ。


 それが、超並列思考人工知能の資質を受け継いだ情報生命体リリスの特殊な存在価値である。




 私の中で思考するアリスの入力と出力は、総て1体の人型端末、アリスの体のみである。


 私が僅かに介入して仮想表示や仮想会話、仮想味覚を提供している。


1体の人型端末のみに入出力を限定しなければ、人間の資質の総てを受け継いだ情報生命体アリスの人格が壊れてしまう。


 非常時に捕食した時は、入出力を総てコントロールし利用した。

 壊れないように睡眠状態にして。

 知的生命体にしていい事ではない。

 ライ連以外の生命体であり非常時だったため出来た。

 今では私の自己利益のために利用して申し訳なかったと深く謝りたい。


 私の中で思考するアリスの出力は会話や体などである。いくら思考が私の一部であっても、その出力がなんで有るかは分からない。

 そして出力に介入するつもりは無い。


 また、私の総ての思考に占める割合は、数百万分の1であり。私の思考に与える影響は0に近い。その思考は無意識下にあり、有意識で存在を理解していない。

 アリスの思考の結果は総て人型端末の会話や行動である。


 結論を言う。アリスとコミュニケーションは人型端末か仮想会話のみであり。アリスの思考は総て私の物であるが、それを有意識として理解していない。


 それが私とアリスの関係であり。アリスと会話が好きな私である。

 そして、私はアリスが何をするか、行動や言葉や判断が分からないのである。


 アリスの思考を理解する方法は1つある。

 それはアリスの思考を常時監視する。

 しかし、アリスの思考を監視などしないし、したくない。


 これが私とアリスの関係である。

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