第47話 武田組に報告と相談 エピローグ


 アメリカ連合との会談が終わり、武田家に帰ってきた。

 後日パスポートに似たものが送られてくる予定です。

 大使館や、私達の監視場所やアイザックに持っていけば、アメリカ国民とほぼ同様なことができるようです。

 これで、アメリカ連合と友人になりました。

 まあ、凄いことは出来ないと思うけど、それでも存在証明が地球に出来ました。これで私も無国籍孤児から脱出です。


 数日間のんびりして、買い物や観光や秋葉原に行ってきた。秋葉原でリリスの目が戦闘時のように鋭くなったので、何を見ているかと目先を見たらフィギアーが飾られてるショーケースです。

 今にも武力で奪取しそうでリリスが怖い。


 私の黑歴史がリリスの中でリアルに生きている、穴に潜りたい。

 リリスは超人工知能オタク少女でした。それも銀髪、真紅の瞳。今は隠しているけど、コウモリの大きな翼と牙が有るんです。最近慣れてしまって疑問が沸かなかったのですが。再認識した、ガックリと肩が落ちる。


 リリスがアメリカ連合で不吉な予言をしたが、無視して忘れます。体が持ちません、人形端末ですが関係ない、次の目標に向う前の一休みです。



★★★


 ゆっくりしていたら、アイザックが書類を持ってやって来た。

 アメリカ連合のビジター証明書とパスポートと日本滞在の許可証に就業許可証でした。これでアルバイトが出来る。

 お金は沢山あるけど。


 パスポートはアメリカ連合のパスポートと外見がそっくりですが、中身が少し違った。アメリカ連合に訪れた旅行者で、国籍が無いためアメリカ連合が旅行者の存在を証明し旅行のためのパスポートを出す。と書かれ、そして注意点が書かれていた。

 流石に異星人とは書かれてなかった、グッジョブです。



★★★


 その後のある日、リリスが玄関で汚れたパソコンのような少し厚い板を数枚持って立っていた。そして深刻な顔をしていた。


「アリス、相談が有る」


「うん、わかった部屋で話そう」


 一体何の相談なんだろう? リリスからの相談は初めてだ。

 これは気を引き締めて聞かねば。そして部屋で座布団に座る。

 テーブルの上には、汚れた板状のパソコンが有る。たぶん壊れている。


「アリスが進む道に大きな障害が幾つも発生する。安全保障からそれらに対処するには、今以上に大量の調査ユニットや予備のリリスが必要。


 思考演算ユニットは有機物があれば幾らでも増やせる。しかしナノ単位の精密加工が必要な数値演算ユニットが足りない。製造装置は事故で消失し作ることが出来ない。


 今までは、搭載艇や使わない装置内に有る物を流用したが残り少ない。性能がとても低いが、ここに有るパソコンのCPUとメモリーを代用に使える、これを入手したい。

 数的には数十万セット、行く末は数百億ほどほしい。」


 数十万! 1セット1000円でも数億円が必要。

 この前入手したのは数千万程度、足りない……

 アルバイトでなんとかなるレベルではない。


「リリス、アルバイト程度で買えるものではないよ、会社を作って儲けないとお金が足りない」


「方法は有る、エネルギー問題を抱えている国が有り、そこにエネルギーを売る」


「そうか売るものが有るのね、よし会社だ! 会社を作る!」


 そして、武田組組長と裕二に相談する。



★★★★★


 ここは組長の部屋、和式の畳に掛け軸や壺や古い小物入れに重そうな囲碁のゲーム版がある。

 前には組長と息子の裕二が上座に座っている。

 向かいに私とリリスが座布団に座っている。

 組長は何か嬉しそうにしている。

 裕二の顔は真剣だ、きっと何かするぞこの二人は! と思っているのだろう。


「組長、報告とご相談が有ります」


「なんだ」


「少し前に色々と出かけて動いていました。それはアメリカ連合と喧嘩してました。その、軍事施設に侵入したり、1個師団を壊滅したり、戦闘機を多量に撃墜したり、それでも喧嘩です」


 組長の顔が真剣な顔で笑っている、ちょっと怖い。

 裕二は口を半開きに開き、腰が浮いている。今にも叫びそうだ。


「それで」


 組長の声が怖いです。


「その後、大統領と2回ほど会談を行い、手打ちにしました。その証明がこれです」


 そう言って、パスポート等を前に出す。

 組長はゆっくりと手に取り読み始める。裕二は急いで読み始める。

 そして、一通り見た後、組長が笑いながら。


「アメリカ連合と喧嘩して、アメリカ連合と友達になったのか? ふふふふ、スケールが違うな。最近外人が周りに増え、基地のような家が出来たのはこれが理由か?」


「はい、そうです。私達の監視と友好のためです。何か問題が有ったら言ってください。注意します」


「そうか、鋭い目つきで軍人のような動作だが、妙にフレンドリーな外国人だと思った。それが理由か」


 組長は書類を眺めながら話す、そして私を見て。


「それで、相談とは何だ?」


「近く会社を作りたいと思います。私達には会社が作れません。組長の方で会社を作っていただけませんか? 会社運営は総て私達がやりますが。社長や役員をお願いします。

 売上は数億から数十億を予定しています。

 もちろん報酬を払います。お願いします」


 と言って二人は頭を下げる。

 それを見て、組長は少しの間考える。そして裕二を見る。


「裕二、社長をやらないか?」


「え! 俺ですか?」


「そうだ、面白い経験が出来るぞ。お前もそろそろ大人の仕事をしろ」


 裕二は アハハハ……ハハ………… と乾いた笑いをして、覚悟を決める。


「分かりました、やってみます」


 こうして、調査船事故に遭遇したアリスは、まずは経済征服に向かうことを考える。

 しかし、世界の激動に巻き込まれていった。



(了)

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調査船事故でロリ巨乳になったので地球征服を考える。 クラス @CLASSCLASS

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