調査船事故でロリ巨乳になったので地球征服を考える。

クラス

第1話 ロリ巨乳


 私は田川亜理朱(たがわありす)、高校3年の女学生。授業が終わり帰る準備をしていた。

 そこに3人の女学生が来る、私にはもったいない友人の同級生だ。


「来週の3日連休に1泊2日のキャンプに行かない? 何時も家でパソコンばかりしてたら体に悪い! たまには緑の中で遊ぼう!」


 そう言ってニコニコしながら私の前に座る。他の二人もそばに居て楽しそうにしていた。

 連休は家でプログラムをする予定だったが、せっかく誘ってくれる友人が嬉しくて。


「うん、いこうか。でも、キャンプしたことないから何を準備したらいいかわからない」


「大丈夫、大丈夫、今から4人でキャンプの買い物に行こう。今持ってるお金が足りなかったら、メモして後で買えばいいよ。いつも勉強や宿題教えてもらってるから、他はまかせなさい!」


 そして、帰る準備をしながらキャンプの話をする。

 4人で大きなショッピングセンターに行きキャンプの準備をした。


 同級の友人に言わせると、私は超技術オタクで女っ気がない、ちょっと残念な女学生だった。


 部屋に入れば机の上には、父親が買った巨大なタワーパソコンに大きなディスプレイ、そして各種ソフトと技術書がズラリ。それもプログラミング言語や開発関係ばかり。そして、押し入れには戸で隠してある、アニメやラノベ、漫画がズラリと並んでいる。

 友人には既にバレている。


 しかし、勉強はそれなりにできたので。宿題は友達と一緒に私の部屋でやっていた。

 そして、部屋の中を見て友達が「女性としてどうなの?」と言われ心配されていた。



★★★★★


 キャンプ当日、友達の親の車に乗り込みキャンプ場に行く。

 キャンプと言っても、バンガローを借りた1泊2日で、遊んだりバーベキューをするキャンプだった。

 当日早めに出て、森林の散歩に運動公園でフリスビーやパトミントンをして遊んだ。

 夜になったら簡単な炊事をしてBBQの焼くだけ料理。

 その後バンガローに入るが体が火照ってなかなか眠れず、友人たちに。


「ちょっと散歩して、涼しい風に当たってくる」


 と言って出かけた。

 それが駄目だった。


 街灯が薄暗く照らす道を歩いたら、水の流れる音が聞こえる。近くを流れていた沢の音だと気が付き、そこで遊んだ時の、冷たい水の気持ち良さを思い出した。


 道を外れ沢に向って歩き初めたが着かない。気がついたら細道が獣道になっていた。

 月明かりで暗さを気にしていなかったのが失敗だった。


 しまった、高3になって迷子は恥かしい。

 戻ろうと来た道に歩き出すが獣道も見えなくなる。

 止まって周りを見渡し、迷子になったと理解した。

 どの方向に進んでいいか分からない。

 聞こえるのは弱い風が葉を揺するざわめきと、虫の鳴き声だけ。


 山で迷子の時は山の稜線に沿って降りる方向に進む、と思い出し、周りを見るが木だけしか見えない。

 完全に迷子。


 次はあまり動かず、待っているだったかな? とここで座る。

 朝になれば何とかなる! と空元気を出して空を見あげる。

 月と星が木の間から見えて綺麗だった。


 しばらく周りの音を聞いていたが何も変化がない。

 不安で、作っていたプログラムの設計を頭の中でした。


 あ、この方法がいいと思い、キーボードを探してしまった。

 ないので諦めて頭の中のメモ帳に書く。


 設計に集中すると周りの全てが見えなくなって、我を忘れる。

 私の特異な現象だ、友達によく「何考えてるの?」と聞かれる。


 しばらくして、周りに大きな音と光が溢れたした。

 あっと気が付き光を見た瞬間、体が吹き飛ばされ、意識を失い長い眠りに入る。





★★★★★


 長い、長い、永がーい、夢を見ていた。

 それも何かの数式の問題を解いていたり、知らないはずの理論を使って比較して評価したり、分類したり、感想を聞かれたり、果ては何かのプログラムのデバックもしていた。

 コーダーもした、夢なのにそれが必要であると思っていた。

 上下左右どこも、もっと難しい情報を処理しているのを感じていた。

 たまに疲れたら眠ていた、夢の中で何度も眠る体験をした。


 長い長い時間が流れたあと。


「ありがとう、ゆっくり眠ってください」


 と少女のような綺麗な声をかけられた気がした。

 そして、深い眠りに沈んでいった。


………………………………

…………………………

……………………

………………

…………

……


 意識が目覚めた、夢ではなく目覚めていると分かる。

 体を感じる、心臓の鼓動を感じる、体の音が聞こえる。

 それ以外の音は聞こえない。


ーー 目を開けよう、目覚めよう。私はここに居る。


 ゆっくりと目を開けた。白だけが見える、シミ一つ無い初めて見る天井が見える。

 おもわず。


「知らない天井だ」


 見慣れない天井を見て、つい某アニメのセリフを言ってみた。


「ふふふ、ついに私もこのセリフを言える時が来たか」


 と意味もなく感動している私がいた。


「本当に知らない天井だけど、ここどこ?」


 ボヤッとした意識で天井見ながら、私が私に問いかけていた。

 私の問かけに応答するような声が右の方から聞こえた。


「おはよう」


 なんだろうと、ゆっくりと右を見る。

 そこには私が妄想し憧れている美少女の姿が有った。

 髪は銀髪でストレートロング、目は大きく真紅の瞳、顔は小さく肌色は白い。服は黒のゴシックロリータ、頭には黒のヘッドドレス。

 見た感じ、幼女と少女の中間で12歳ぐらいだろうか。

 極めつけは、背中に有る黒いコウモリの一対の羽。

 口元を見ると八重歯のような膨らみが有る。

 あれはきっと牙に違いない。

 夜中に見かけたら私は言う「真祖バンパイア!」と。

 そして許せないのは胸の大きな膨らみ、ロリ巨乳!

 きっとまだ夢を見ているんだ。


 《こんなキャラが・現実に・居るわけが・ない!》



「おやすみなさい」


 そう言って目を閉じ上に向いて、また寝よう。


「まて、 現実、 寝るな」


 単語だけを並べたような声が聞こえる。

 無口キャラって、どれだけ属性並べればいいんですか?


「目を、開けろ」


「……」


「目を開けてください」


「……」


「目を開けてください、お願いします」


 私が妄想した理想のキャラ、それが無口キャラとなって現れ、私に懇願している。

 嬉しすぎて感動している、夢にしては出来が良すぎる。

 こんな夢を私が見るわけがない!


 嬉しさが零れてしまった顔で目を開ける。

 そして、美少女に顔を向けて問いかけた。


「えーーと、その、どちら様ですか?」


「私はリリス、あなたに謝らなければならない」


 感情が見えない無表情な少女が私に謝罪した。

 私は一体何をしたのだろう? 謝罪される事を思い出せない。


「えーーと、何を謝るの?」


「私が存続するために、あなたを利用した」


 私は何かに利用されたようだ。

 長い時間眠っていただけで、記憶がない。


「利用? 何を利用したんですか?」


「あなたの体」


「え?」


 思わず自分の体を触ってみる。

 手を握る大丈夫、顔を触ってみる普通だ、体にも痛みはない、起きたばかりで少しボヤッとしているだけ。

 問題なさそうだから問いかけてみる。


「体はここにあるし、問題なさそうだけど?」


「まずは起きて立って」


 ゆっくりとベッド(寝具の場合)を降りて立って周りを見てみた。

 乳白色の壁に、天井は白く四隅に照明、床は木で出来ていた。

 部屋は8畳ぐらいで、ベッド(寝具の場合)と机と椅子、テーブルに椅子2つ、ドアがあり窓はない。

 シンプルな部屋。


 服を見てみる、リリスと同じようなひらひらした白い服を着ていた。

 何時着替えたんだろう? と疑問に思う。


 リリスを見る、綺麗な少女だ、そして何故かリリスと目線が同じ。

 私は17歳高3、ガリガリの体で身長が180センチある。

 でもリリスは少女で12歳ぐらいの小ささ。

 何故目線が同じなのかと、不思議な気分でリリスを見ていた。


「いろいろ疑問が有ると思うけど、こちらに来て」


 リリスはゆっくりと歩いてきて、左手を私の右手の近くに差し出す。

 恐る恐る右手をリリスの手に触れる。

 リリスは素速く右手を掴んで軽く引っ張ってきた。


「あっ、びっくり、そして強引」


 引かれるままにリリスとドアに向かって歩く。

 何これ、理想キャラに手を引かれて歩くなんて、嬉しすぎて赤面です、もう何が起こっても許せる気分。

 ドアを出て廊下を見ると、部屋と同じデザインで、両脇に幾つかドアが有る。

 すこし歩いて、大きめのドアを開けて入ると、正面に背の低いテーブルに大きなソファーが2つと、右側にキッチンブースが有る。左側には大きなドアと乳白色の壁。

 入ってきたドアの横の壁には大きな鏡が有った。

 鏡の前に移動して鏡に前に来た。

 鏡に写ったリリスを見る、つないだ手を見る、もう一人の白ゴスロリ美少女を見る。

 美少女も私を見ていた。

 あれ? と手を動かすと少女も動く、これって私ですか?


「…………」


 見たことがない白ゴスロリ美少女、それも巨乳!

 驚愕しすぎて声が出す体も固まる。

 そして、思考が動き出した。


「なんで私が、ゴスロリのロリ巨乳になっているのよ!」


 叫んだ。

 私は、田川有理朱(たがわありす)17歳の高校3年の女子。

 ガリガリの細さで長身が180センチ、胸は絶壁、お尻は小さい、髪は毎朝母が後ろに三つ編みをしていた。

 だから私はアニメや漫画・ラノベに影響され妄想した。

 次に生まれた時は小さい身長で巨乳を。

 それが今、目に前で美少女ロリ巨乳になっていた。


「それが今のあなた」


 鏡の中に双子の様な美少女と手を繋いでいた。

 その一方が私。

 違いは髪が黒、目が黒、羽なし牙なし。

 着ている服がリリスは黒ゴス、私が白ゴス。


 もうね、花が咲き乱れる草原と森を背景に、輝く光の粒子が散りばめられた中、二人の妖精が立っている。

 そんな幻が見える。


 固まったようにぼーーと見ていた。

 はっと気づいて、リリスを見て訳を聞く。


「説明してくれる?」

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