第22話 お買い物
数日間いろいろ検討したり準備したり、計画をした。
そして、今日から実行する事にした。
リビングで、いつもの灰色ドロドロの早朝を食べながらリリスに話す。
「リリス、私達の存在を証明するものを作る最初の一歩。最終目標は日本国籍取得、そのプランができたので、一緒にやろう」
「了解、何やるの?」
いつもの様にリリスは無表情に澄ました顔で食事をしていた。
「まずは、今着てる服はリリス作成だから、人類作成の服と靴を買って着替える。次に記憶喪失を装い、警察に助けを求める。そうすると児童相談所に行く。これが第一歩、私達が日本に居たという情報が公式書類に乗る」
真紅の瞳が私を見ている。
何か突っ込んでーー、と真剣に思う。
「装うとは?」
「私の名前は、森田アリス、リリスは、森田リリス、10歳の双子。母親は森田桜子。気がついたら知らない公園に居てどうしたら良いかわからない。覚えているのは上の4点だけ。ウロウロしていたらお腹が空いたので交番に来た。以上、どう?」
リリスは少し考える。が少し微妙な顔をした。
きっと双子の事か、それとも何かが抜けてるのか? いいんだ、当たって砕けるんだ。兎に角動く。
「わかった、まかせる」
「児童相談所に行くと思うので、当面の住所と連絡先が出来る。パトロンや保護者や引き取り手を探すか作る。これでまず、私達が日本にた子供である証明が出来る。国籍はもっと先で」
またリリスは少し考える。
「探すや作るとは?」
「ふふふ、探していなければ、ヤクザに力を示して優しくお願いする。又は零細の潰れかけた企業を助けてパトロンにする」
「ふむ」
「公式的には、身寄りのない孤児を引き取り、助ける。何も無いところから引き取るのは変、引き取り後に問題が起こると思う。でも、国の書類上で孤児が証明できれば後のトラブルが減る。どう?」
リリスは少し考えてから、アリスを見て何でもないように言う。
「何か有ったらアリスは私が守るから、好きにしていい」
相変わらずリリスは私に過保護だ。
突き放したことを言うくせに、いざという時は過保護だ。
きっとこれもリリスなりの理由が有るんだと思う。
「ありがとう、先ずは動いてみよう。この後衣服を買いに行こう」
「了解」
兎に角動いてみることにした。動かないと何も始まらない。
それに今日は買い物だ!
うふふ、買い物だ!
いや、買い物が目的ではないですよ、これも行動です。
と思いながら、ニコニコと後片付けをした。
「そうだリリス、鷹の名前決めた。調査ユニットだから『ユニ』にしたけど、どう?」
「問題ない」
鷹のユニに向かって歩いて行き膝を付いて鷹を見る、鷹もまた私を見た。そっと頭を撫でると、嬉しそうに翼を揺らす。
「ユニちゃん、遠くから私達の事を見ててくれるかな?」
ピィー と返事が来た。かわいい。
そして、二人と一羽で出口部屋に行き、上に向って飛ぶ。
外に出ると、鷹は空高く舞い上がった。
そしてゆっくりと旋回する、私達を見ているように。
相変わらずリリスに抱えられて森の中を縫うように飛んで町まで来た。
町まで歩いて行き、デパートを目指しながら雑談する。
「ねえリリス、ユニの食事は?」
「同じスープを食べるか、虫や木の実に小動物を捕食」
「なんと、調査ユニットも肉食!」
「ユニットも有機細胞で出来ているから動物と似てる。なんでも食べるけど」
雑食だった。
「なるほど、燃費が良いのね」
雑談をしていたらデパートに着いた。相変わらず、注目の的だが最近は気にならなくなった。慣れとは恐ろしい。
衣料品コーナに行き、子供コーナーに行く。
元180センチ身長の人が子供コーナーで買い物は気持ちの上で違和感があった。体型はリリスと全く同じなので、選ぶのが簡単。
まずは下着を買う、ここで問題が発生した。
きょ、巨乳なので合うブラが無い!
思わず言ってしまった。
「巨乳に合うブラが無い!」
たが、何故か顔が嬉しそうにしていた。
だめだ、私の妄想が現実になっている事実に赤面。
何処かに穴はありませんか? 小さい部屋でも良いです。
引きこもりたい。隠れたい。ああーー現実逃避したい。
仕方がないので、スポーツブラでぎりぎり入るのにした。
ここで下着を数枚買う。
次は服、私は白に花柄のワンピースを買う。
リリスは黒にこだわっている。なぜに黒?
ああーー私の黑歴史だった。ガックリと肩が落ちる
仕方がないので黒に白い縁取りの花がらのワンピースにした。
次は靴だ、靴は普通のスニーカーにした。
しかし、リリスは黒のスニーカーだった。こだわりが強い。
などなど、ショッピングを楽しんだらお昼時間になったので、最上階でランチを食べる。
明日の予定を相談する。
「リリス、この町ではもう目立ってるから遠くで実行しようと思う、それに、何かするにも都会がいいと思う。それで、東京近くの神奈川の山の方でどうかな?」
「いいよ」
「それで、夜の間に神奈川に飛んで、朝8時まで潜んで、それから決行でどうかな?」
「問題ない」
「よし、明日の午前4時に起きて神奈川行きでいい?」
「問題ない」
「リリス、午前4時に起こして、起きれる自信がない」
「了解」
「そうだ、その背中の翼は大丈夫?」
「肌色になるし、背中に収納して少し膨れているだけ。直接触らなければ問題ない」
「よし、行けそうだね」
久しぶりに日本の普通のランチを楽しんだ後、町中を雑談しながら散策し、基地に帰る。
ゲームセンターを見つけて遊んだのは秘密だ。
***** どこかの掲示板
【謎の美少女】謎のゴスロリ美少女現る【Part3】
1:ゴスロリは何処だ
俺の町で、めちゃくちゃ綺麗な、ゴスロリ美少女を見かけた。
下が画像だ!
↓
ttp://XXXXX.co.jp/XXXXXX/XXXXX/XXXX
誰か知ってる?
一人は銀髪、真紅の瞳、黒ゴス。
一人は黒髪、黒目、白ゴス。
目撃情報が少なくなった。何処に行ったんだ!
………………
33:名無し
今日、街のデパートで見たぞ、下着を買ってた。
聞いて驚け、きょ、「巨乳に合うブラが無い」と言ってたぞ。
これは、伝説のロリ巨乳?
間近で見た、接近遭遇は俺だけのもの。
35:名無し
マジか!、みてーーーー
それを見たお前は、市刑だ! ゆるさん。
65:名無し
俺はゲームセンターで見た、遭遇率が低いから、奇跡だ!
マジに天使だった。
103:名無し
これが最新画像だ追加よろ。
↓
ttp://ZZZZZ.co.jp/XXXXXX/XXXXX/ZZZZZZ
105:名無し
神現る!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます