なくて七癖、あって四十八癖

 『なくて七癖、あって四十八癖』とは、人は多かれ少なかれ、癖を持っているということ。単に『なくて七癖』とも言いますし、類句に『人に一癖』という言葉があります。


 一見して癖がなさそうな人でも七つ、癖の多そうに見える人には四十八もあるという意味だそうですが、『人に七癖、我が身に八癖』という言葉もあります。

 こちらは『なくて七癖、あって四十八癖』と言われるように人間には癖が多いものだが、とかく他人の癖は目につきやすく、自分の癖には存外自分で気づかない。だから、自分自身には他人以上の癖があると心得なければいけないということです。


 以前、働いていた薬局は私を含めて四人でシフトを回していました。

 当時は彼らと親よりも顔を合わせていたもので、数年たつと嫌でも癖がわかってきて、物まねをして笑い合ったりしていました。


 で、現在は夫と毎日顔をつきあわせているわけですが、彼の癖って意外と思い浮かばない。

 『とにかく毎日映画かテレビを観ずにはいられない』『酒を飲まないと眠れない(量は決まっている)』『猫など可愛い存在を目にすると鼻息が荒くなる』『トイレのドアは半開き』『箸の持ち方が微妙に変』『スーパーに行くと酒の肴をこっそりカゴに入れたがる』……あれ、おかしいな、七つないぞ。しかもこれは癖なのかってものが最後に。


 ちなみに自分は『機嫌が良いと鼻歌が飛び出る』『酔うとトイレ掃除をする』『考え事をしていると唇が突き出ている』くらいしか思い浮かばない……。


 職場の同僚のほうがかえって仕草や口調、行動パターンの癖を言えたんですが、これは夫をもっとちゃんと見ていなさいという天のお告げなのでしょうか。


 考えてみれば、癖を見抜いていた同僚たちとのほうが思い切り意見を交えたり、気持ちをぶつけ合ったりしていたかもしれないですね。自分の親ほど年齢の離れた人たちでしたが、仕事という繋がりによって良くも悪くも遠慮のない瞬間は夫よりも多かったかも。


 そういえば、息子が生まれてからは彼が最優先で、夫をまっすぐ見つめたことって減ったなぁと反省しています。

 まずは夫の七癖発見をコンプリートすることから始めたいと思います。

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