灯台、下暗し

 『灯台、下暗し』とは、身近なことなら気づくのが当然と思われがちだが、近すぎるためにかえってわからないこともあるということ。


 私にとっての『灯台、下暗し』は札幌市営地下鉄がゴムタイヤ式だと本州の友人から教わって知ったことでした。


 札幌の地下鉄は南北線、東西線、東豊線と三つの路線がありますが、鉄車輪式ではなく、全線がゴムタイヤで走っているんだそうです。

 大学に通うために毎日乗っていたというのに気づきもせず、それも北海道の人からではなく本州の人から教えてもらうなんて……と驚いたものです。

 現在ではホームドアが設置されたので、車線を見ることは難しいかもしれませんね。


 私は南北線によく乗っていたのですが、平岸駅から南平岸駅に向かう途中で、地下鉄が地上に上がっていくんですよね。なんと、南平岸駅のホームは地上二階にあるのです。そこから終点の真駒内駅まで、ずっと地上を走ることになります。路線は雪を防ぐためにアルミ合金製の高架シェルターで覆われています。

 これも考えてみたら「地下鉄なのに地上を走るの?」と、驚くところなんでしょうが、そういうものだと思っていたので不思議にも思わなかったし、何故地上を走るのか知ろうともしなかったという……。


 それにしても、地下鉄は本当に便利でした。地下鉄は本数も多いし、天候に関係ないし、南北東西とわかりやすいし。

 今思い返すと、地下鉄が走っているのはもちろん、札幌駅からすすきのまで地下通路で繋がっていることもあり、あの界隈はどんな天気でも地下移動すればスムーズに行けるんですよね。真冬の北海道にはありがたいことでした。

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