どこで暮らすも一生

 『どこで暮らすも一生』とは、どんなところで暮らそうと、人の一生に変わりはない。しかし、どうせなら気持ちよく暮らせる住み心地のよい場所に住みたいものだということ。


 私の両親は転勤族ではありませんでしたが、そのわりに引っ越しが多い人生でした。

 13歳まで山形県にいた時期は3軒の家に住みました。そこから猫を連れて北海道へ移住。そこで、永久の住処と決めて建てた家を含めて3軒の家に住み、独立します。

 そこからは札幌や地元で、群馬県に引っ越すまでのおよそ十数年の間に、10回の引っ越しをしました。仕事の転勤や物件の不具合、家族の急病など理由は様々でした。


 お仕事によっては、もっと引っ越しばかりの人っていらっしゃいますよね。本当に大変だと思います。私の場合は、引っ越しが好きだったんですけど、その作業はやはりきついですもんね。


 ある意味、引っ越しは暮らしのデトックスやダイエットみたいなものでした。

 そこに住むうちに増えてきた荷物やしがらみを、整理して不要なものは捨てて、身軽になって新天地へ旅立つというのが、なんとも心地よかったのです。いろんな意味で、荷物は少ないほうが好きなのです。


 まぁ、『どこで暮らすも一生』そのものに、通勤や賃貸物件などの理由をつけては、気軽に暮らしてきたわけです。当時はペットも飼っていなかったので、自由気ままに根無し草のようでした。

 賃貸物件の見方も学んだし、手続きもリストを作らなくてもできるくらいにはなりました。小説に役立ったりもします。

 引っ越しの荷物をなるべく少なくする工夫も生まれたり、得たものはありました。けれど、やはり引っ越しが少なければ、もう少し貯金できたのかな? という気はしますよね。


 私はどうも、住み心地のよさのためなら家を変えることを躊躇しないんですね。きっと、両親も同じなので引っ越しが多くなったんだと思いますが。


 現在は猫を飼っていますし、夫の仕事の都合もあるし、なかなかそういうわけにはいきません。こちらで住んでいるのは、群馬県に嫁いだときに夫が手続きしてくれたアパート1軒のみです。

 猫は家について、犬は人につく。そんな言葉を誰かから聞いて以来、尚更動きにくくなりました。

 猫好きなのに、犬っぽいのかなぁ? 『住めば都』とは思わない性格だから、流浪の人生だったのかも。


 でも、各地の面白いところやギャップを楽しめたので、悪くないなと思っています。

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