名は体を表す

 『名は体を表す』とは、名前というものはそのものの性質や中身などをうまく表している場合が多いということ。


 北海道暮らしが長いせいか、どうも私は山形よりも北海道で培った経験や知識を常識だと思って生きてきた節があります。


 その中の一つが、『ごみステーション』でした。

 『ごみステーション』とはごみ捨て場のことなんですが、北海道ならではの呼称だと知り、ものすごく驚いた記憶があります。国内旅行をしている最中、飛行機の座席に置いてあった冊子のコラムにそう書いてあったのです。皆様の地域ではいかがでしょう?


 ただ、意外と全国あちらこちらで『ごみステーション』の呼び名は使われているらしく、なんと嫁ぎ先の群馬県でも使われていました。

 もっとも、北海道にしろ群馬にしろ、市によって呼び名も分別方法もルールも色々と違うでしょうから、一概には言えませんが。


 北海道の方言では、『捨てる』を『投げる』というのですが、「それ、ごみステーションに投げてきて」なんて会話もよくあるわけです。知らない方が聞いたら、戸惑うのかなぁ?


 『ごみステーション』には、ごみを『捨てる』と『ステーション』がかかっているわけですが、このステーションってなんだかいいなぁと思います。

 ごみの種類によって焼却だけではなく様々な形にリサイクルされていくわけですから、その過程へ旅立つ駅だと思うと、なかなかいいネーミングセンスだなぁと感心します。


 『名は体を表す』というと大げさかもしれませんが、それでも『ごみ捨て場』よりは柔らかい響きになるし、リサイクルされゆく道が見えて、ちょっと前向きですね。

もっとも『ごみステーション』が当たり前だと思っていたので、そう意識するようになったのは、飛行機の冊子を読んでからですが。


 知ることによって、当たり前が姿を変えてしまうことってあるんだなと、面白く思ったのでした。

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