信心も欲から

 『信心も欲から』とは、信心も結局のところ、よいご利益を望む欲からするということ。


 私自身は宗教はないし、普段から特に信じていることも、強く意識していることもありません。強いて言えば『言霊はある』くらいでしょうか。

 けれど、信じていたいことはあり、それはやっぱり『それだけは嫌だ』という欲からきています。


 それは、『私は花粉症ではない』ということ。

 これだけは盲目的に信じています。信じていたい。いや、信じずにはいられない。


 基本的に、北海道って花粉症がほとんどないのです。花粉症の大きな割合を占めるスギ・ヒノキ・ブタクサがありません。

 道南のほうは少しあるらしいんですが、北海道にいた頃はシラカバ花粉症くらいしか聞いたことがないですね。調べたらヨモギなどもあるようですが、大学時代の親友がたった一人だけシラカバ花粉症だったくらいかなぁ。

 薬局に勤めていたときは、花粉症の商品が新発売するたびに、北海道ではいまいち魅力は伝わらないね、なんて同僚と笑っていました。


 ところが、どうも群馬県に来てから鼻が出て止まらなくなったり、くしゃみがずっと出たりするんですよね。いつ発生するかわからないし、原因も定かではないんですが、これは困ります。

 特に妊娠中は困りました。ただでさえ妊娠中って、尿漏れが起きやすくなるんですよ。そこにくしゃみは勘弁願いたい。それに花粉症向けの一般用医薬品が服用できないんですね。

 あまりひどいときは、産婦人科からもらった医薬品でおさえていましたが、今度は副作用で眠くて何もできなくなるのでした。


 ブタクサ花粉症の夫は何故かにやにやしながら「君も花粉症になったんだよ」と言いますが、耳鼻咽喉科で調べてもらったところ、特になし。いまだに原因はわからず。

 それに、なんだか『花粉症になった』って受け入れるのが嫌で、頑なに自分は花粉症ではないと信じております。


 多分、心理的には酔っ払いが「酔ってないよ、大丈夫だよ」って言っているようなものだと思いますけれど。

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