同じ羽の鳥は集まるものだ
『同じ羽の鳥は集まるものだ』とは、同じような趣味や考え方の人間は、自然と寄り集まり、仲間を作るものだということ。
英語の『Birds of a feather flock together』から来ています。類句は『同類、相求む』だそうです。
自然と寄り集まるというより、ときには強制的に集まってしまうこともあります。それが喫煙所です。
私は妊娠するまではヘビースモーカーでした。
今では煙草の匂いを嗅ぐと気持ち悪くなりますが、それでも『煙草』という文化自体は好きです。百害あって一利なしなんて白い目で見られる世の中になりましたけれど、味がある文化だなと思っています。映画や小説、アニメで登場すると、ついつい銘柄に目がいってしまいます。
友人は以前、大手出版社に投稿した漫画の講評で「酒や煙草という小道具で大人をイメージさせないこと」というお言葉をいただいたそうです。これは確かにありますね。そもそも、安易にイメージさせた場合は、やはり板についてないのですぐにわかると思います。普段煙草を吸わない役者さんの喫煙シーンがぎこちないようなものです。
実際、愛煙家の登場する名作って、煙草によってキャラの過去や嗜好、性質をうまく示唆しているなと思います。
バーでシガーやパイプをくゆらせるのもいいし、手で煙草を巻くのもいいものです。もちろん、しかるべき場所でマナーを守ることが前提ですので、歩き煙草や吸い殻のポイ捨ては大嫌いですし、そのマナー違反のせいで煙草全体を悪く言われるのはちょっと違うよなぁとも思います。
北海道にいた頃、とある病院に勤めていたことがあります。
病院機能評価に取り組んでからは敷地内禁煙になりましたが、それまでは職員専用の喫煙所が設置されていて、多くの喫煙者のサロンと化していました。
医療従事者とはいえ、吸っている人は吸っているんですねぇ。
それを快く思わない人も多かったのは事実ですが、嗜好品ですから難しいところです。
喫煙所に集う人々を観察してみると、面白いことに仲良くなるのが早いのです。
まるで酒を酌み交わすように、煙草を吸いながら互いの会話を楽しんでいるわけですが、皮肉なことに世間の煙草への白い目が強ければ強いほど、結束力も強くなっていくような……。
何百という職員がいる中で、部署も違えば仕事内容も専門分野もまったく違う人々が集まるというのに、煙草という共通の趣味があるだけでこんなに円滑に人間関係が結ばれるものなのかと驚いたものでした。
それに、人が集まると言うことは情報も集まるということなので、実に面白く煙たい社交場でしたねぇ。ふふ。
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