十把一からげ

 『十把一じっぱひとからげ』とは、なにもかも区別なく、いっしょくたに扱うこと。


 群馬県に来て実感したことのひとつ。

 それは『ラーメン』は決して十把一からげに考えてはならないということです。


 ラーメンほど地域によって、そして店によって差が出る料理があるでしょうか。いや、ない。


 群馬県の中でも私の住んでいるところは、栃木県の佐野ラーメンに近いものが多いのです。

 なんといっても大きな特徴としては、青竹打ちの平麺がほとんどなのです。夫は自家製麺でなければ納得できないと意気込みます。


 一方、札幌ラーメン、函館ラーメン、旭川ラーメンなどがある北海道では縮れ麺が多いです。ただ、函館はストレート麺だという話ですが。

 どうも、私はこの青竹打ちの平麺がうどんのようで馴染めずにいます。でも、夫は佐野ラーメンが大好き。


 夫婦でラーメンの嗜好が違うと、なかなか店選びに苦労します。

 たかがラーメン、されどラーメン。麺も違えばスープも違う、具も違う。地域で違って店で違うし、嗜好も違う。なんて細分化の極み。


 なので、我が家では「ラーメン食べたい」と言っても、どんなラーメンが食べたいか詳細に話し合う必要があるのです。ラーメンならどこでもいいわけじゃない。『十把一からげ』にしていいのは、二人の会計のみ。


 袋入りのインスタントラーメンも嗜好が違うので、スーパーで「こっちにしよう、いや、こっちだ」と軽くもめることも多々あります。

 それに、作り方も違うのです。私はきゃべつやもやしなどの具材は麺と一緒に茹でてしまうのですが、夫は野菜や肉などの具をフライパンで別に炒め物にして、鍋で作った麺とスープにあとから乗せます。

 なので、どちらが作るかによって、同じインスタントラーメンでもまったく違うラーメンになるのです。


 つまりは……二人ともラーメンが大好きなのですね。

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