名物に旨い物なし

 『名物に旨い物なし』とは、名は必ずしも実を伴わない。評判と実際とは一致しない場合が多いということ。似たような言葉に『名所に見所なし』というのがあります。


 思い返せば、山形も北海道も群馬県も名物は旨い物ばかりでしたので、この言葉に縁のない生活でした。


 でもこのエッセイを書くにあたり、あらためて考えてみたら、一つだけこの言葉を思い出す料理がありました。それは……『焼きまんじゅう』なのです。

 群馬県の皆様、ごめんなさい。私は群馬県民のソウルフードともいえる『焼きまんじゅう』がどうしても苦手なのです。


 『焼きまんじゅう』とは群馬県の郷土料理で、蒸したまんじゅうを竹串に刺し、甘めの味噌ダレをつけて焼いたものですね。お団子サイズを想像しちゃいけません。まんじゅうですからね、大きいんですよ。


 群馬の皆様は本当にこれが大好きみたいで、お祭りやイベントなどで必ずといっていいほど見かけます。

 夫には「いいか、群馬県民の前で焼きまんじゅうが嫌いなんて口に出さないほうがいいぞ」と笑われる始末です。

 あくまで私個人の嗜好ですから、まだ食べたことのない方は是非トライしてみてくださいね。焼きたてがおすすめです。


 思えば、北海道から引っ越すとき、群馬県の所在地や名物をよく訊かれたものです。あまり周囲に群馬県にご縁がある人がいなくて、「名物って何?」と知りたがる人が多かったです。

 そして、当時の私は「えっと、温泉とか……温泉とか」と、ほとんど答えられず。今では色々おすすめできるようにもなりましたよ。このエッセイを通して、少しずつ書いていけたらいいなと思います。

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