第1話 入隊に至る経緯

元々自分は小3の頃に見たインディペン○ンスデイの影響で戦闘機に興味を持っていました。

当然戦闘機に乗って動かしてみたいとも思ってましたが、日本で戦闘機に乗るには自衛隊に入るしかなく、自衛隊なんて体育が死ぬほど嫌いな運動音痴の自分が入れるわけがないし、入ったところで3日でクビだろうと思って諦めていました。


そして年月がたち、高1の時に寄った本屋で立ち読みをしていたところ手に取った某航空系軍事雑誌の中に自衛隊パイロットになる方法が書かれた記事がありました。自分で改めて調べ直したところどうやら適性試験次第で誰でも採用される可能性はあるらしい。もっともその試験の基準も厳しいのだが馬鹿な自分は、「俺でもなれるかもしれない」と思い込みその日からしばらく自衛官をめざすことになりました。


とりあえず毎日10km走り(3kmの方が役に立つのだがこの頃の自分は何も知らなかった)、目を良くするために毎日30分以上遠くの山をみるようにしました。後に英語や数学も必須と知り今までまともにしてなかった勉強も多少はするようになりました。


だがそんなものにはなれないということを学校の成績表が教えてくれた…

嘘です所謂親の反対です。急に運動しだすようになった自分を不審に思った両親に問いただされたので正直に高校を卒業したら自衛隊に入隊することを伝えたら大反対されました。父親曰く防衛大学ならまだしも○○高校を出て自衛隊なんかに入るなとのこと。当時自分がいた高校は地域で偏差値が最も高い進学校だったので高卒で自衛官になることに反対したんですね。まあ当時の自分はまともに勉強してなかったため防大に入る学力があるかは怪しいしそもそも陸海空どこに行けるのかわからない防大に入るつもりはありませんでした。

母親はヒステリー起こしてダメだの一点張り。最悪、無理やり地本行って願書出してやろうかと思いましたが母親が祖母に言いつけて意地でも反対するとヒステリーヒートアップ。祖母なら母より自分の言い分を聞いてくれるだろう望むところだと一瞬思いましたが親戚巻き込んで親子喧嘩なんてみっともないしそもそもここまで意固地じゃ未成年の自分が入隊できる余地はないなと思い諦めて大学に進学することにしました。


しかしながら自分の学力じゃ入れる大学なんてたかが知れてます。色々あってセンター利用で気づいたら受かってた底辺大学に入りました。大学に入った頃は卒業したら一般幹候で自衛隊に入るなどと考えていましたが所詮馬鹿なので大学でプラプラするのが想像以上に楽しくそんなのどうでもよくなりました。絵に書いたような堕落です。気付けば単位は全然取らず中退、無職になりました。


「お前どうするんや?」ある日親に尋問されました。どうすっかなー、公務員なりたいけど無理だしー、そういや昔俺は自衛官になりたかったな。何の取り柄もないクズが兵隊行くなんてよくあることだしいっそそれもいいな。

「県庁と警察受けてダメだったら自衛隊行く」

親は反対しませんでした。まあもうハードル下がりきってしまいましたからね。そして県庁と警察は案の定落ち、自衛隊の願書を貰いに地本へ向かうのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る