第69話 射撃と運動・ガンハンドリングその1

教育隊の話からこの二つが抜けていましたので今更ながら追加します。

時系列としては前者が19~29話あたり(教育隊中頃)、後者が26~31話あたり(教育隊終わり頃)となります。


射撃と運動

所謂fire and movement の事です。匍匐や駆け足で移動し射撃、また移動し射撃という地上戦闘の基礎の基礎といった内容ですね。

ビニロンの布をペグとロープで張って遮蔽物に見立ててそれらの間を移動し、射撃は「遮蔽物」を使いながら口鉄砲で行います。

所々土肌が見えるグラウンドで実施するため雨の日に「ハズレ」を引くと泥まみれの上に伏せるはめになって課業後の洗濯で無駄に時間を使うはめになります。


ガンハンドリング

なんかFPSとか映画でタクティコーな動きやってるやつのお試しコースみたいなことをやります。内容としては各姿勢と方向転換と射撃です。

まずは姿勢の説明を

ポートアームズ…小銃の握把を保持しその片腕だけで肘を曲げ銃口を真上に向けた状態です。敵の脅威があまりない後方でやる姿勢だそうですが片腕だけで銃を保持するためキツいです。罰ゲームです。隣の中隊はこれで外周走らされていました。

だいたい皆床尾を弾帯に預けるズルをやって注意されます。


ロープロファイル…上述のポートアームズの状態でメモを取ったりする時にやる姿勢らしいです。片方の上腕で握把と床尾の間あたりを抱え込むようにして小銃を保持します。両手がフリーになるので小銃を手放すことなく書き物が出来ます。


レディガン…ポートアームズから銃口を真正面にして左手で被筒を掴んだ姿勢です。ポストとかで歩哨に立つときの姿勢ですね。


スタンバイガン…銃口を真下寄りの斜め左下に向け床尾を肩のあたりに移した状態です。射撃姿勢に移行しやすいため脅威度の高い場所でやる姿勢らしいです。所謂ローレディ


ストレートダウン…上述のスタンバイガンから膝を軽く曲げて床尾を肩に当て銃口を左斜め下から正面斜め下に移した姿勢です。銃口を上げると立射の姿勢となります。


アップ…姿勢というよりは号令ですがストレートダウンの銃口を前方正面の目標に向けた状態です。立射の状態です。


気づいた方もいると思いますが陸自のそれとは呼び名がまるで違うんですよね。

例としては、スタンバイガンが陸ではローレディと言われていて陸でのスタンバイガンは空で言うところのストレートダウンだったり逆に陸ではストレートダウンというのは空のローレディの銃口を真下に向けた状態だったりとします。

アメリカの四軍それぞれでガンハンドリングの姿勢の呼称が違うらしくそのせいなのかなと推測しています。本当かどうかは知りませんが。


続く

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