第15話 曹候補生 入隊式まで
入隊式までは基本的に暇でした。やることと言ったら必要な書類への記入や自分達の作業服や制服に名札や階級章を縫い付ける作業くらいです。裁縫は丁寧に縫い付けないとやり直しを喰らいます。でも他の班には親指入るくらいの雑な縫い付けでしばらく過ごしてた人もいたりと基準がよくわからんです。
簡単にこのA中隊の組織図的な説明をします。
まず中隊があり中隊長は1尉、中隊の下にx個の区隊があり区隊長は3尉、各区隊の下にy個の班があり班長は空曹です。
何日か過ごすと誓約書に署名する日が来ました。入隊前に調べたのですがこれにサインした瞬間に区隊長や班長が豹変するそうです。まあ覚悟は出来ているのであっさりサインしました。
「これで君達は自衛官になると約束したわけだ もう後戻りは出来ないぞ」おおっと豹変…か?
教場から出ると班長達がさっきより少しは厳しめの口調になったような気がします。そのまま食堂です。
ああ、食堂から帰ってきたら台風だな
整理整頓されてない部屋や下駄箱をぐちゃぐちゃに荒らす行為、また荒らした惨状を自衛隊用語で台風と言います。予備自補の時はたまにベッドメイキングが雑な人間が毛布をひっくり返されてたくらいでした。そよ風ですね。
食堂から帰ってきて驚きました。台風が来てません。ああなんて優しいんだ 心底そう思いました。
確か区隊長との面談もこの頃でした。内容はよく覚えてませんが当たり障りのない内容だったとおもいます。ただ、幹部候補生の受験をするかどうか聞かれたことだけははっきり覚えています。
「中隊の方針で今年度の受験を希望する人間全員に受験させるんだよね 希望する?」
「はい希望します」
地本からはカリキュラム云々で無理だと聞かされていたのでありがたかったです。
またこの頃記入した書類に適格性に関する物がありました。適格性、これがない場合一部の秘を扱う職種につけなくなります。書く内容次第で適格性がなくなってしまうのでこれから入隊する人は気をつけましょう(笑)詳細は言えませんがヒントはピンクの紙です。
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