第26話 野外行進 1日目

遠足です。某県山中からスタートして30kmほどの基地までの道のりを二日かけて歩きます。

装備はライナー、弾帯、水筒、背のう、小銃です。鉄帽なし、更に背のうは予備自補で使ったような糞みたいな代物ではなく小さなデイバックです。


お馴染みのバスで某県山中に到着しスタートです。ちなみに区隊長のそばについて区隊長から命令が出された場合各班に走って伝える伝令という係があるのですがこの前の射撃の点数が悪いやつから順にアサインすることとなり、当然ながら自分もその中に入っていました。そんなに命令出されなかったですけど何回か走りました。いやあ流石に熱発ではキツかったです。いい忘れましたがまだ熱発継続中です。ちなみに自分しか知りません。


伝令が終わればもうあとは歩くだけなので楽勝です。楽しい楽しい遠足です。昔は道中で敵襲を想定しての戦闘訓練もやったらしいですが今はやらないそうです。山々を眺めながら歩いているうちに昼食をとる地点に着きました。


昼食は缶飯でした。おかず缶がたくあんともつ野菜煮だったのがキツかったです。前者は塩分が強すぎて後者はパサパサしていて水が物凄く欲しくなります。まあタダ飯当たるだけよしとしましょう。大休止の後に出発です。


班長はトランシーバーを持っており、無線の内容が聞こえてきたりします。

「今先頭は何班ですか?」

「S班です」

「S班長、………S班長応答してください」S班長が応答しません。福井班長が何度も呼び掛けますがなかなか応答しません。

「こちらS班長」ようやく出ました

「聞こえてるんなら早く応答してくださあい」


山を抜けて日も暮れて市街地が見えてきました。しばらくして今夜泊まるキャンプ場に着きました。天幕張って野営?いえいえ、なんとバンガローで宿泊です。夕食は飯盒でご飯を炊いて肉や野菜でバーベキューです。ただ時間があまりありません。結果、米はボソボソ、肉野菜は半分生で食いました。空腹なので固い野菜もおいしくいただきました。

バンガローで就寝する際やたら班長達がちゃんと寝たか確認に来ました。自分達は暑くて眠れなかったので寝たふりだけしていました。

ワーワーと楽しそうな声がします。幹部や空曹の皆さんで飲み会のようです。

「おい角沢あ!」福井班長が日中やらかしたS班長に絡んでるようです。

酒飲みたいなあ 明日はどんなとこ歩くのかなあ

そんなことを思いながら狭苦しいバンガローの汚い寝袋の中で眠りました。






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