第38話 飛行試験一回目 その1

四日目、いよいよ飛行試験です


まずとある一室にて検査官とプリブリーフィングを行います。内容はこれから行う試験の説明やそれに伴う質問時間です。検査官は3佐や1尉、つまり教育隊の時の大隊長や中隊長と同じくらいの階級なので緊張します。

プリブリーフィングが終わると装具をつけ、エプロンに出ます。エプロンへの出口横に各機体の状況が書かれたボードがかけられていました。

〇〇〇(機番) エンジン始動時に咳き込む

△△△     異常なし

◇◇◇     ××に欠損あり

うおおなんかかっこいいなこれ


乗り込む機体に着きました。使用する航空機はT-7、単発小型の二人乗りプロペラ練習機です。受験者は後席に座ります。座席にディンギーという脱出時の救命ボート兼座席のクッションを置いて座ります。座ったらシートベルトを締めてもらい、ヘルメットを着用します。準備完了です。

「操縦桿動くから気を付けてね」動翼の動作確認です。前席と後席の操縦桿は連動しているので触ってないのにグリグリ動きます。ちなみにT-7の操縦系は油圧式ではなく、操縦桿と動翼が直にワイヤーでつながった人力式です。翼を見るとワイヤーが飛び出ていてそれが張ったり緩んだりして動翼を動かしているのが見えます。当然ながら翼を動かしても操縦桿が動きます。


しばらくしてランウェイまでタキシングします。タキシング中にヘルメット内臓のスピーカーの音量の調整をします。ランウェイに着いたらエンジンの作動試験(?)のようなことをします。ブレーキをかけているのかプロペラの角度を調整しているのか知りませんが前には進まない状態でエンジンの出力を上げていきます。目の前の計器盤がグワングワン揺れます。

おお、なんか紅〇豚かなんかでこんなシーンあったぞ


しばらくして管制塔から離陸指示が出て離陸します。おもちゃのような見た目のくせに結構加速力あります。あっという間に離陸し、上昇旋回して高度を取ります。

うおおすげえ… 今回が人生四度目の飛行機搭乗経験の自分は感動しました。旅客機やヘリのキャビンなんかより遥かに視界がいいです。下方には今まさに離陸した別のT-7が見えます。

すげえ上下の概念がある 飛んでるんだから当たり前ですけどね。更に目線を前に移すと太平洋が見えます。コンテナ船が浮かんでいました。これから試験を行う空域へ向かいます。


長々と書いてすみません。

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