第19話 職種選択・銃剣道・持続走

三本立てです。はい。


幾日かたつと卒業後に進みたい職種の希望調査がなされます。第四希望まで書けるのですがどれでも選べるわけではありません。

まず入隊してすぐの頃に筆記テストが実施されます。これの成績次第で選べなくなる職種があるのです。たとえば航空管制や語学は英語の点数が悪いとアウトです。そんなこんなで最初の職種選択の時に職種が書かれた用紙が渡されるのですが本人に適性のない職種は斜線で潰されています。

他にも通信に従事する適性を見るためのテスト(電子音がピピピピ…と流れて何回聞こえたか数える)や車両の運転適性を見るテスト(二つの針と連動するハンドルを動かして針が障害物に当たらないように動かす)等があります。

また職種にも何人までという枠があります。人間を押し込む順番は基本的に区隊長の序列順で決めるので後の方の区隊に配置されると不利になります。ドンマイ。



銃剣道、自衛隊生活の中で一番嫌いでしたこれ。どういった武道かといいますと、剣道のような防具を着て昔の三八式小銃の形をした木銃で相手をどつくものです。左胸の分厚い防具を突いたら勝ちです。まあなかなか判定でませんけどね

木銃の先にもゴムがついているのですが狙いが外れて腕なんかに当たると痛いです。特に左上腕なんか教育期間中はヤク中のようにアザだらけになります。鮮やかな黄色いアザを見ることは二度とないと思います。

「お前ら!これ終わったら予定者課程(3曹になるための教育課程)までこんなのやらずに済むんだぞ!気合い入れろ!」教育隊最後の銃剣道で班長の一人がそう言いました。ええ、これでしばらくやらずに済むと思って頑張りましたよその時は…



持続走、3㎞走のことです。自衛隊では体力測定に持続走があり体育訓練もこれの練習に多くが費やされます。四月の初め頃に実施した体力測定の持続走のタイムをもとにAからFまでのチームに分けられて各チームのレベルに合わせた錬成をします。余談ながらチームFの愛称はチームFUCKでした。

「チームFUCKファイトー!」「おー!」


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