白原 糸

＜完結済み＞ 港町に住むぽっちゃり体形でぷるるん頬っぺの少年ジェサーレは弱虫だった。家族が好きだった。近所の犬が好きだった。この町のことが好きだった。 けれど少年は、ある出来事に…

君たちは、どんなおとなになるのかな。 その問いに他の子供たちはあこがれや夢を口にする中で、たったひとり、何も言わない子供がいた。 だから秋則は彼に問う。あこがれるものはないか、と。

今作は第45回横溝正史ミステリ＆ホラー大賞の最終候補作です。 一般投票による「カクヨム賞」選出のために、応募時の原稿そのままの形で掲載しています。 「カクヨム賞」は下記Googl…

ヒトと竜が築いた王国。その片隅の森で暮らす寡黙な木こり少年セイルの元に、ある日突然傷だらけの竜が降ってくる。「竜の賢者」を名乗る彼は、自分は城を襲った事件に巻き込まれたのだと語っ…

浅草に住む少年・頼鳥司は、カギしっぽの黒い猫を追いかけるうちに浅草の裏の町『裏見世通り』に迷い込んでしまう。そこで出会った唐傘と名乗る中年の男性は、司の学校で起きた怪事件を「あや…

※この作品は続編となります。 　変えることのできない性質と結末を知りつつも、果てるまでの道は自由と手を繋ぎ直した志乃と芳親。改めて麗部直武の旅路の供をするも、直武の結末もまた近…

龍の屍の上にある国には、〈残骸〉と呼ばれるものが出る。その〈残骸〉の首魁である鬼が邑楽山(おうらやま)に出るとして、『白装鬼神』の異名を取る女性軍人伏柴(ふせしば)光華(こうか)…

部活をサボって、美術室に行った。そこには、青い空の絵を描いている後輩がいた。 先輩と後輩の、ある夏の、一枚の絵を完成させるまでの物語。 ※全20話です ※毎日8:35更新です

タイトル：天空の標（てんくうのしるべ）　作者：蜜柑桜（みかんさくら） 自然と人間の定めた秩序に対して問いかける、シリアス・ハイ・ファンタジー。 シリーズ作品ですが、独立した長編…

人は皆、蝶を抱へて生くるもの。浮世は儚し、されど美し。 人の悪夢が「黒蝶」の姿を取る世界。その蝶を喰らう「浮橋様」という存在。そして、「浮橋様」に仕える者たちの物語。 主人公…

魔王軍四天王のひとりである魔族の青年「ガルシ」。とある事件により地球の東京へ転移してしまうも、それは魔王軍というブラック組織からの解放を意味していた。 七年が経ちすっかり立派な…

こんにちは！　どなたもお気軽にいらしてくださいなエッセイです。 海外出張が多い＋海外生活経験のある芸術大好きな蜜柑桜が、好きなもの、旅のこと、日本以外の文化のこと、お菓子のこと、…

　レーヴァ大陸、西方に豊かな国土を有するリリンシア王国は、王位継承権と国を支える次期『大聖女』の座を巡る争いに揺れていた。 　内戦に巻き込まれ家族を失ったアーリア・サンベルカは聖…

函館にて、母から継いだカフェを営む詩織。 兄である祥也と助け合いながら、常連客にも恵まれ、日々を懸命に頑張っていた。 ある日の閉店間際、店内にあるオルゴールを探して辿り着いたとい…

死神の墓場を守る少年・弥吉。彼の凄絶な過去、叶わなかった思い、墓守の務めへの覚悟……。物語はそれらをゆっくりと解きほぐしてゆく。 ※こちらの作品のスピンオフとなります。 「山蔭の…

三年前、世界中に隕石が飛来した。飛来した隕石に乗り込んでいたのは人語を解する蟻――自分たちを〈天上蟻〉と称する巨大な蟻であった。 しかし蟻たちは人間に「あること」を伝えて全て息絶…

『白の巫女』の預言により、将来の禍根となる魔物退治に赴くレンドールと相棒のエラリオ。それらしい獣を退治して回っていたが、ある日雨に降られ、雨宿りの洞窟で雷に怯える少女と出会う。 …

数万字、一気読みの方多数です。ありがとうございます！ 信仰とは、愛とは——素性知れぬ乙女は、信じることを投げ出さない 昨今のWeb小説には珍しい、骨太ハイ・ファンタジー（読者様…

森の上に森、そのまた上に森が重なる多層森林。その最上層に住む人々にとって、大地を、そして失われた高度な文明を取り戻すことは悲願だ。彼らは少女を贄に地表に棲まう「竜」を呼び出し、そ…

新学期が始まり、入学式とオリエンテーションを終えた高校一年の白石晴富は、購買で同じく新高校一年の望月幸詩と出会う。 体調不良の望月を気遣ったのをきっかけに、二人よりみちを通して仲…

＊ひもす鳥＝カラスのことです 【第一部のあらすじ】 　父との間で広がった距離感が悩みの”大磯 拓磨”。授業にも身が入らない事もある高校一年生の秋。 　ある朝、ゴミ置き場を動物…

《毎日更新・完結保証》 8世紀の中国、唐。 宝石商の妻、白　霞（ハク　カ）は、暴力をふるう、支配欲の強い夫のもとから、実家の茶肆（喫茶店）に逃げ帰る。 実母は冷たく、条件の悪い見…

連載を始めたくなったので始めます。趣味のやつを、のんびりやりたいと思います。 たぶんよみごさんシリーズにはならないはずです。

かつて霧の里と呼ばれた降霊術師たちの隠れ里があった。 彼らは依り代人形と呼ばれる等身大の木製人形に死者の魂を宿し、現世にその声を届ける術を操っていた。 しかし、王国の動乱期、後…

コーヒーサロン『テック特区』は路地の奥にひっそりとある昭和な喫茶店 そこは様々な老若男女が帰る場所になっている ※KAC20231-7に追加・リライトした長編です

この世には死んだ人間の魂を宝石に変える宝石商が存在するらしい。 アンティーク調のトランクを片手に、妻を亡くした老人の元へ、我が子を亡くした母親の元へ、兄を亡くした妹の元へ。 様々…

フォルモントの王城の地下には蟲が住んでいる。 何のことはない、マガネが悠々自適にそこで生活をしているだけである。 ところがある日、彼女のところに求婚者が現れた。リスイと名乗るその…

　常世と現世が境界をなくした世界。それは霊能力という力を持つ者たちが支配する世界だった。 無能力者の少女・楓は、霊能力者たちの通う学校に、ある日突然放り込まれる。おまけに、天才少…

海軍軍楽隊フルート奏者の祥三郎は、召集命令を受け、留学先のベルリンに恋人のエデルを残し帰国した。必ず戻ると約束して──。ところが日本では、元婚約者である晴子が祥三郎の帰りを待って…

　花街の自警団に所属する志乃は、〈妖雛(ようすう)〉すなわち半人半妖。〈物の怪〉と称される異形の襲来を予測された花街にて、前兆たる成り損ないを始末していた志乃は、旅の最中な初老男…

国語の教科書に長年載り続ける物語たち。子供の教科書を借り、かつて学んだ名作を読み直しました。 教科書の版元は光村図書さんですが、各作品のストーリーの要約も書いておりますので、違…

後悔ばかりの感覚派&柄の悪い神経質 運び屋バディアクション、長編版！ 完結しました。 遥か昔から、「地球」には雲と並んで空に浮かぶ大地が目撃されていた。 その大地に築かれた日本…

自我を持ったプロトタイプ型ヒューマノイドロボット・ノヴァ。彼女の脳器（コンピュータ）が盗難され、REX社の秘密部隊に属するオルドは、その行方を追うこととなる。そんな中、ノヴァを盗…

現代文の時間には、決まって窓の外に亡霊がいる。 彼岸にいるはずの亡霊が視える晴季(はれき)は、毎日のように現代文の授業の時間には女生徒の亡霊が視えていた。そんな折、同居人である吉…

【『妖獣の唇に　セイレーンの涙を』続編　カクヨムコン１０参加作品】 セイレーンとの戦いから、八年後。ジャニは成長し、バルトリア島で日々、船長となるための鍛錬を積んでいた。 そんな…

　芳氏が治める大陸一の大国、峯紅国。 　草心高は紫紅峰に棲む仙人の泰慈先生に弟子入りし、日々過ごしていた。 　ある日、病で伏せる母親のために薬を分けてほしいと少女が訪ねてきた。…

ヴァレリア王国には噂の庭師がいる。 庭を与えられた平民が大金持ちになった。 閉店寸前の寂れた食事処が王室御用達店に変貌。 その庭で過ごした主人の大病が完治した。 どれも信憑性…

【カクヨムコン10短編　中間突破！】 　キノとグレンが通う寄宿学校では、代々少年達の間で密かに言い伝えられている、謎の祭りがある。 　その祭りは【魔女祭り】といわれ、学校裏にある…

九年前、「灯火教」教主である有慈の妻となった珠希。 現在は教団本部で有慈や信徒達と暮らしながら、事務方トップとして働いている。 業務や面談で忙しない毎日だが、過去を忘れるほど充実…

姜(きょう)蚩尤(しゆう)が丹省の地に降り立ったのは、陽暦元年のこと。まだ蚩尤が十歳の頃だった。神が座すと言われる白仙山(はくせんさん)を眼前にして抱いた憧憬。あの山の向こうには…

西暦2045年、少しだけ技術が進化した近未来。 無人水素タクシーが走るパリの街並みにカメラを向ける超色覚<テトラクラマシー>の少女、アーティ。 多くの秘密を抱えた色弱オッドアイ…

一般人には不可視の怪物、デイドリーマーズ。 死んだ人間の魂を食べる彼らは、時に視えない狂気となって人間の命を刈り取る。 西暦2044年12月――クリスマスマーケットで賑わうフラ…

翠は離婚後、娘の桃花を連れて実家に戻り、母親と暮らしている。 地元で評判の悪い不動産会社に勤め、副社長のセクハラに耐えながら、母親の抱えた借金を返済するために懸命に働いていた。 …

※縦読み推奨 一冊の本を巡る奇々怪々な体験。読まなくてはならない。知らなければならない。だが読み終えた者の末路は一つだ。 曰くその本を読破した者は自殺する。 不良大学生…

いちにいさんで、みんな並んだ。 次に落ちるのは私ですか、僕ですか、俺ですか、君ですか、あなたですか。 これはみんなみんな平等なのだ。 誰もに等しく、理不尽なのだ。

【注意】結末まで分かるあらすじです 　三方を山に囲まれた限界集落、囲水。土地神である「おいぬさま」を北方の山に祀る、地元住民の六割以上が後期高齢者の地区だ。 　父親の死をきっかけ…

道南・函館市のある場所に、その硝子工房はあった。 好きなことに熱中すると生活がおろそかになる職人のセイと、助手である仮面の青年ヨル。そして喋る看板猫のつつじ。 穏やかに時間の過ぎ…

第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト　短歌の部・一首部門　参加作品です。

道南・函館市。三月某日。 無事高校卒業の日を迎えた巴は一心にある場所目掛けて駆けていた。 それは、大三坂の途中にある英国喫茶。 長年の想い人である店主・誠志郎に会う為に。 出迎え…

県庁職員の祈（いのり）は、結婚二年目。 投資家の夫、吉継（よしつぐ）は同じ町で産まれた幼なじみで、目下悩みの種でもある。 幼い頃からの夢を諦めてポスドクの職を辞め「自分探し」に没…