概要
血と陰謀の仮初婚。鬼と令嬢が帝都の闇を暴くとき――その先に、恋が芽吹く
日本帝國にある東都という街は、長きに渡る国内紛争の結果、勝利を納めた帝國軍側の本拠地である。王権制廃止に伴い首都として新たな機能を持ち始めたことから、帝都と呼び名を変えた。
爵位を持つ華族どもは躍起になって、帝國軍の上官に取り入るための商談や縁談を進めているところだ。
連綿と続く血統を誇る本堂家は、伯爵位というだけではない。異能呼ばれる『人智を超えた能力を授かる家系』としても知られ、特に少し先の未来を占う『先読み』は随一の能力を誇っていた。
長女の桜子には、その異能がなかった。地味で控えめな性格はただでさえ立場を軽んじられていたが、次女の千代子が十六の誕生日に能力を発揮したことから、不幸は加速。
離れへ隔離され婚約者は千代子へ譲ったばかりか、妹の祝言で襲われ命を落とし――なぜか生き返っていた
爵位を持つ華族どもは躍起になって、帝國軍の上官に取り入るための商談や縁談を進めているところだ。
連綿と続く血統を誇る本堂家は、伯爵位というだけではない。異能呼ばれる『人智を超えた能力を授かる家系』としても知られ、特に少し先の未来を占う『先読み』は随一の能力を誇っていた。
長女の桜子には、その異能がなかった。地味で控えめな性格はただでさえ立場を軽んじられていたが、次女の千代子が十六の誕生日に能力を発揮したことから、不幸は加速。
離れへ隔離され婚約者は千代子へ譲ったばかりか、妹の祝言で襲われ命を落とし――なぜか生き返っていた
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!とある夫婦の春芽吹く恋
人肌に触れるのは、初めてだった。
それだけでも、ヒロインである桜子の寂しさを物語っていた。冬という寒々しい景色がまた、その描写に拍車をかけているとも。
しかし同時に、その寂しさへの終止符も暗示している。
人肌の主――桜子に手を差し伸べた武臣だ。
家族に軽んじられ、一度は死を迎える桜子。
普通に生きたいと願う桜子。普通に生きたいのであれば、手を取るようにと促す武臣。
家族との確執、異能、陰謀などさまざまな要素が組み込まれた物語の中、最初はぎこちない。しかし、徐々に二人の距離は縮まっていく。
凍える冬から抜け出すように徐々に徐々に。
幸福を願わずにはいられない桜子の人生の転機。
願うは普通の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!陰謀うごめく大正風浪漫!冷遇伯爵令嬢の花開く恋と未来。
先読みの異能がない主人公桜子は家族や婚約者から軽んじられ、味方はたった一匹の犬。不遇の中で、命すら落とすことになりますが、絶望の淵からのよみがえりを果たします。それでも変わらないつらい日々。
そんな桜子に手を差し伸べたのは白鬼と怖れられる軍人、武臣。
彼も深い秘密を抱えていて──。
45000字ほどの物語の中で、死に戻りや陰謀、帝都の闇、復讐など目を離せない展開がテンポよく組み込まれていて作者様の構成力にびっくりです。
つらい立場の中でも凛とした優しさを失わなかった桜子さんと、そんな桜子さんとともにあることで少しずつ夫婦になっていく武臣さんが微笑ましい。
特別な異能を持つ二人ですが、二人…続きを読む