中世から近世に代わる時期にヨーロッパに、少々の魔術の要素が加わった世界。
そんな国の王子が、本作の主人公。
しかし王子と言っても煌びやかな宮廷に住む訳でもなく、ある事件によって父王に疎まれ、不遇の身となっています。
しかしそんな境遇にも腐ることなく、また突き抜けることもない彼に好感と、そして「殻を破れない」という共感を抱いてします。
つまり、魅力的なんですよ。
そんな彼ですが、ある事件を切っ掛けに変化が……。
不穏な世情を背景に、彼をとりまく世界がどう変わっていくのか、また彼が世界をどうかえていくのか。
物語はまだまだ途中(2025年7月11日現在)、これからの展開が楽しみです。
最新話まで追いついたので書きます。
ストーリーはあらすじにお願いします。
なんと言ってもキャラの成長が本作の持ち味です。ここは外せません。
主人公アルスだけでなく、落ちこぼれと訳ありの集まり同然だった第6近衛兵団の面々が日常を過ごす中で変化していきます。
ときに新たな発見や危機。そして、別れ。
1つのシーンを読む事に彼らの伊吹を感じます。
もう1つは、その気高さですね。アルスを始め、曲がらない在り方はカッコよすぎます。
持つ者の義務。自分は古代ローマ史。特にハンニバルやカエサルの時代が好きなので、よりノブレス・オブリージュを体現して見せるアルスたちにはそのままに前へ進んで欲しいと思いながら読む手を進めてました。
軍隊物、男同士の友情。そして、己の運命に立ち向かう物語が好きな方には特にオススメです!!
主人公のアルスの成長と周囲の取り巻く状況と世界観が見どころと言えましょうか。
この本編と関わる「ある王国の青年士官の決意」の主人公たちともいえるジャックが彼を支えていきます。この短編を読んでから最初から読むのをおすすめします。
第六近衛兵団編はアルスがジャックやギブソン、ユーフェミアに支えられて、日々をこなしていくのですが、短編を読んだ人にとって、ここのお話はたまらないものになるかと思います。ここのお話はジャックに対するアルスの信頼、ジャックの忠心が言葉に表せないくらいに良いです。
第六近衛兵団編が終わったあと、アルスがどのように成長していくのか。何を見ていくのか。彼に寄り添って見守りたくなります。
ファンタジーでありながら、ふわっとしたものではなく地に足がつくしっかりとしたもの。19世紀英国風歴史ファンタジー……このあたりの文化や雰囲気が好きな人には絶対にたまらないものです。
ちなみに、私は好きで刺さりました。
読みやすいだけではなく、ちゃんと19世紀英国風とその歴史を感じさせるファンタジーと伝わる描写力と雰囲気を出す文章と表現が本当にいいです。
19世紀英国風歴史、ここが好きな人には刺さるお話。読めば先を追いかけたくなる作品
一読してみてはいかがでしょうか。
読み始めや前半面白い作品もありますが、こちらの作品は少しずつエンジンをかけるように読み進めるほどに面白くなっていきます!!
主人公アルスも好感が持てる性格で素直に応援したくなりますし、成長していく過程も見どころの一つ。
何よりも男同士の絆や、仲間としての想いやりなどが積み重なるほど、心に熱いものが込み上げてきます( ; _ ; )!
個人的にはジャックとの関係性が、いいなぁ……としみじみ思っているのですが。
ジャックが気になった方は是非読んでみてください♪
きっと一人は心に響くキャラクターがいます!
どのキャラも個性的で、背景が気になる人物ばかり……オススメです(^^)
読みながら、冷たい洞窟の中で独り何かを模索する少年の姿が見えてきます(何言ってんだお前)
幼い頃に起きた事件のせいか、成熟したような落ち着きを持つ、一国の王子なのに国王から冷遇されている少年アルス。彼とかかわることになる第六近衛兵団の男たち。烏合の衆のような彼らでしたが、彼らと交流するうちにアルスくんも少し前向きになってきて……。
男同士の静かだけど情熱を感じる友情に私もじんわりきていたのも束の間、突然下された仲間の辞令。今まで積み上げてきたものが砕け散る音。これからどうなっていくのか、気になります。
男たちの熱き絆的なの(しかも軍人!)に弱いので、読みながらハラハラしております。どっしりしたミリタリーファンタジー、美味しいです!
よくある説明不要な魔法ファンタジーの世界とは一線を画する世界が物語の舞台。魔法(魔石)の使い方や文化・政治など、しっかりと練られた世界観にクオリティの高さを感じます。
過去の事件によって王子でありながら冷遇されるアルスですが、純朴で優しい彼のもとに集まる仲間は個性的であり頼もしくもあり。そんな仲間たちとの心の交流は読んでいて胸が熱くなります。キャラクターたちの性格や背景もしっかり設定されており、まるで実在するかのようにイキイキと魅力的に書かれています。
これからアルスがどう変わり、どう行動していくのか、先がとても楽しみな作品です!