ミステリーなので多くは語れませんが、最後まで読み終え、心の底から読んでよかったと思える作品でした。
学園を舞台にした怪談と猟奇的な事件。それらをつなぐ七不思議と猿にまつわる謎。
物語の構成も見事で、すごいなぁと思わずため息が出てしまいます。
文章そのものも端正で、描写のひとつひとつが美しく、まるで登場人物の呼吸やその場の温度感までも伝わってくるようでした。文章力が高いからこそ、ふとした場面にぞくっとさせられることもしばしば……。
単なる怪談にとどまらず、登場人物それぞれの心情や背景に深く踏み込んでいて、人間の弱さや葛藤までも丁寧に描いた素晴らしい物語です。
この度は素敵な物語をありがとうございました。