アートの世界から挫折してフリーターをやっていた主人公レイさんは流星に願い、異世界の森へ転移することとなる。
それから、絵が売れず行き詰まっている画家の美少年クリス、最下位クラスの剣士サンダリアンと出会い、「仕事で稼いだお金で私(レイさん)の乳押さえを買う」という約束を始めに、三名のどん底から足掻く物語が始まるのであった。
個人的に注目して頂きたいのが、「どん底から這い上がろうとする登場人物達の姿」です。
芸術や仕事がうまくいかず、諦めそうになるところ、レイさんを筆頭にキャラ達はお互いを励まし合い、懸命に這いあがろうとします。
苦しみ足掻いて登場人物が成長する姿は熱く、とても感動します。
次に「絶妙なギャグ」です。
イケメン系女子レイさん。
男二名と共同生活しているのに、男よりイケメンで前向きで恥じらいません。
メインとなるキャラ達は魅力的で真面目な良い子ばかりです。その子達がレイさんに振り回されはちゃめちゃとする姿に心ゆくまで笑えます。
全51話、完結済みで最後まで楽しく読み進めることができました。
挫折を経験したことがある方、前向きな気持ちになれましたので、是非読んで頂きたい!
──異世界×アート。
もうこの時点で興味を惹かれますよね。
ご存知の通り、世の中には芸術と呼ばれるものは沢山あります。
詩や小説といった言語芸術、絵画や彫像、浮世絵といった美術芸術──上げていけばキリはありません。
大前提として、芸術には作品(表現物)と鑑賞者が必要となります。そしてその目的は「精神的・感覚的な変動を得ようとする」こと。
それを頭の片隅に置いた状態で、本作品を楽しんで欲しいと私は思うのです。
そして創作活動を行った経験がある貴方。
きっと共感できる部分があると思います。
登場人物の一人、画家のサーザント•クリス氏のような経験をした人もいるでしょう。もしかすると、サンダリアンのような経験があった人も居るかもしれない。2章より登場するモルファーのように、何かを抱えて生きる人もいるでしょう。
それでも彼らは頑張って、前に進み続けた者達です。一癖も二癖もあるような彼らが前に進む為、奔走し時には彼らのケツを引っ叩く女性──星野レイ。
彼女は流れ星へ願った結果、異世界へ流れ着いた異質な存在です。元の世界では受賞歴のある一般人、悪く言ってしまえばありがちな境遇。
けれど、兎に角ポジティブである。
何度もピンチになるし、どうにもならんやろこれ…っていう時も諦めないんです。何時だって引っ張って行ってくれる素敵な(おっぱいのついた)イケメン。
なんか読者にも勇気というか、活力を与えてくれるんですよ彼女。
正直それだけでもう一読の価値ありです。
ヒューマンドラマとしても愉しめるし、アートの事も識る事ができる。他に類を見ない作品ですので、是非読んで頂ければと。
流れ星に「別世界へ行きたい」と願いを掛けたことがきっかけで、異世界に転生してしまった星野レイは、画家として行き詰まっている少年・クリスと、剣士としての活動に限界を感じていた青年・サンダリアンと出会う。
未来に希望を見出せずにいた二人の人生は、アートの力に希望を抱いていたレイと行動を共にするうちに、確かな力強さで好転していく――。
アート×異世界というキャッチ―な世界観に引き寄せられて読み始めると、主人公・レイのさっぱりと爽やかな語り口に、コミカルでありながらアートにまつわる複雑で深刻な課題、誰しも通ってきたであろう人間関係の難しさなど、目が離せないエピソードがカラフルに散りばめられていて、あっという間にラストシーンにたどり着いていました。
2章以降は、新たな登場人物も迎えていっそう賑やかさを増す物語には、全編を通して明るいパワーが漲っていて、画家のクリスと剣士のサンダリアンがレイに励まされてきたように、読み手にもポジティブな活力を分け与えてくれます。
友情を描いたヒューマンドラマとしても、非常に読み応えのある一作でした。ぜひ彼らとともに、素晴らしいラストシーンまで駆け抜けてみてください!
異世界へ転移してしまった女性、星野レイは売れない画家の少年クリスと、最弱と揶揄される剣士サンダリアンと出会います。
ろくに仕事がなくて悩んでいたクリスやサンダリアンに対し、妙に男前なレイさんは彼らが望む生業を続けられるよう熱く助言することで、彼らの奮闘が始まります。
コミカルな一人称と、個性的なキャラクターが活き活きと活躍する様は、読みやすさも相まって次へ次へと読ませる力があります。
レイのアートに対する情熱と、それを解し同じく情熱を燃やすクリス、彼らの力を借りて現状を変えようと励むサンダリアンの姿はどこか微笑ましく、胸を熱くしてくれます。応援したくなること必至です。
クリスは画家を続けられるのか。サンダリアンは剣士として仕事を得られるのか。
そしてレイのノーブラ生活は解消されるのか!?
現在第一章まで完結中のアート&ファンタジー物語。第二章の連載が待ち遠しい作品です。
是非とも一読くださいませ!
※このレビューは最新話が「1章 23.表現をしてみた。」の時点で書かれました
このお話のなにがいいってテンポです!
主人公の星野レイはとにかく明るい女性で、異世界に行っても、なにがあろうとも己のやりたいことを信じて突き進みます。
ゆえに、サクサクとストーリーが進み、小説としての読みやすさが抜群です。
また、その様を見ていると読んでいるこちらまで元気を貰えます。
彼女の周りには二人の登場人物がおり、彼らはどこか現実世界で見覚えのある(人によっては自分と重ねてしまう)親近感が湧きやすいキャラで魅力的です。
売れない画家の少年クリスは、レイとの出会いで画家生命に希望を見出すことができるのか。
冴えない剣士のサンダリアンは、かっこよくなりライバルを超えることができるのか。
この二人の登場人物が、レイに励まされアドバイスを受けることで変わっていく様を見れば、あなたもきっと元気になるはず。
また、作中ではアートに関する説明(歴史や技法など)もしばしばレイの口より語られ、新たな学びも得られます。
個人的には、小説という文字媒体でアートという視覚で鑑賞されうる媒体を表現している点が非常に興味深いです。作者様の巧みな描写力で、現実にはないはずの絵が浮かび上がること間違いなし。
そんな斬新なアートを表現しているこの小説をあなたも読んでみませんか?
異世界転生してしまったヒロイン(イケメン)と、ネガティブヘタレ美少年画家(かわいい)と、ポジティブヘタレ剣士(かわいい)が織りなす、とびきり熱いファンタジーコメディです。
メインの3人がすごく魅力的で、読み進めるほどに3人とも大好きになっていきました。
緻密で正確な絵を出力する装置がある世の中で、画家は必要なのか。
実績のある者がランキング上位を占める中で、後ろ盾のない剣士は仕事を得られるのか。
生きるための業(わざ)と書いて、生業と読みます。はたして彼らは、自分の進みたい道で生活を立てる術を手にできるのでしょうか。
昨今話題になっている、AIアートがもたらす問題がテーマに取り入れられており、唸りました。
人の手が、生きた情熱や感性が紡ぎ出すアートだからこそ、他の誰かに活力や感動を与えられる。そんなメッセージを受け取りました。
掛け合いのテンポや思わず笑っちゃうコメディ感はもちろん、ここぞというシーンでアートの底力を感じられる描写がお見事です。
普段あまり触れたことのないアートの魅力を感じられたというか、どのように楽しめばいいのか、感覚的に伝わってきたように思います。
第1章、とても面白かったです!
連載再開を心待ちにしています!