その道しかないのなら、あとは覚悟を決めるだけ。

アートを選んだものの、有名になれず、アーティストでもない道を選ぶこともなかった星野レイは、さりとて不幸でもなかった。
……はずなのに、なぜか『別世界』に行っていた。
しかもハイパーな猪は目の前に現れるし、パジャマだったのでブラジャーをつけてない。大ピンチ。
そこに現れたのは、契約が取れない絵描きの少年クリスと、剣士のランク最下位の男サンダリアン。

現代のカメラのように、記憶を映し出す技術があり、画家は「時代遅れ」とされている世界。
崖っぷち三人組の夢への道は、意外な形で交差していく。

「まだ、自分を信じてるんだろ?」

自分より早く、忠実に、精密な絵を描く技術はある。
それでも、絵を描くことを手放せられないのは、「自分にしかできない」なにかがあると信じているから。
無一文で、無茶苦茶だけど、前へ進み、二人を引っ張っていくレイ。
目に見える虚構を剥ぎ取り、目に見えないその人の真実を描く。――新しい価値観は、時に厳しい向かい風とともに、大きな嵐を呼んでいくことに。
きっとアートが好きになる異世界ファンタジーです!

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