異世界で始まるアートと情熱と友情の物語

流れ星に「別世界へ行きたい」と願いを掛けたことがきっかけで、異世界に転生してしまった星野レイは、画家として行き詰まっている少年・クリスと、剣士としての活動に限界を感じていた青年・サンダリアンと出会う。
未来に希望を見出せずにいた二人の人生は、アートの力に希望を抱いていたレイと行動を共にするうちに、確かな力強さで好転していく――。

アート×異世界というキャッチ―な世界観に引き寄せられて読み始めると、主人公・レイのさっぱりと爽やかな語り口に、コミカルでありながらアートにまつわる複雑で深刻な課題、誰しも通ってきたであろう人間関係の難しさなど、目が離せないエピソードがカラフルに散りばめられていて、あっという間にラストシーンにたどり着いていました。

2章以降は、新たな登場人物も迎えていっそう賑やかさを増す物語には、全編を通して明るいパワーが漲っていて、画家のクリスと剣士のサンダリアンがレイに励まされてきたように、読み手にもポジティブな活力を分け与えてくれます。

友情を描いたヒューマンドラマとしても、非常に読み応えのある一作でした。ぜひ彼らとともに、素晴らしいラストシーンまで駆け抜けてみてください!

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