笑顔を忘れそうになる日々に、温もりを灯す歌声

仕事、家事、子育て……常に何かに追われていて、忙しなく過ぎ去っていく毎日の中で、少しずつすり減っていった心を、そっと温かく包み込んでくれるような物語でした。
少しビターな読み心地のすべり出しから、かつては抱えていた憧れや好意が濁っていく過程、されど失われずに輝く「変わらないもの」の描き方が、とても素晴らしかったです。温かいヒューマンドラマがお好きな方に、ぜひお読みいただきたい短編です。きっと、未知の先を眩く照らしてくれるような、光を感じる音楽が聞こえるはず。おすすめです。