概要
そんな美咲の心の拠り所はインディーズ時代から応援しているバンドの音楽だった。
だが、彼らがメジャーデビューを果たしてから、それは一辺した。
そんな美咲の日常を描く、ヒューマンドラマ。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!彼らは不様にカッコ悪く生きている。足掻きながらでも、生きている。
福岡で4歳の息子と夫と3人で暮らす美咲。彼女は、家事や仕事、子育てと三拍子揃った多忙な日々を過ごしていた。彼女の心の拠り所はインディーズ時代から応援しているバンドの音楽だった。
彼女は、日常に忙殺されて心の余裕を無くしていたわけですが、ふとしたきっかけで、見えていなかった大切なものに気が付きます。
例え誰にも受け入れられなくても、どうしようもなく、手の届かない何かを必死に掴もうとする強い意思。
全てが変わってしまったように見えて、根底に流れ続ける変わらない大切な想い……。
目まぐるしく動き続ける日々の中で、美咲が大好きな音楽と共に自分を見つめ直す、そんなリアルでビターさがあふれつつ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!自分の世界が救われる瞬間、気づきをくれたものは
タイトルを見て恋愛に懲り懲りな主人公がラブソングを嫌っているのかと思いながら読んだ所、もっと身近な生活の中で悩み苦しむ主人公の、切実な理由から「嫌いだ」という強いメッセージのタイトルが導き出されている事を知りました。
昔から大好きなバンドの良いメロディ。でもそれが、甘いラブソングだという理由だけで聞けない、聞きたくない日々。
母という役割、社会人としての役割、主婦としての役割で世界が塗りつぶされている様子は、共感を覚える人も多いと思う。
でも気付きひとつで世界は変わる。
毎日がしんどいと思っている人、音楽が大好きな人には刺さる要素が満載。読後感もとても良いのでぜひ! とても暖か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きみはラブソングなんか歌わない
自分自身の生活環境や、抱えるものが変化するのと同じスピードで、愛する何かも少しずつ変化していく。
そんな心の引っ掛かりは、大人になるにつれきっと誰しもの心にあるのだろう。
4歳になる息子と、仕事でなかなか家にいない夫と3人で暮らす主人公の美咲。
忙しい毎日を過ごす彼女の心の拠り所は、大好きなバンドの曲たちだった。
不器用に、必死に生きる誰かへの応援歌は、やがて彼らがメジャーデビューを果たしたことにより段々と変化していく。
甘ったるいラブソング、決して昔のガムシャラな彼らが選ばなかったであろうその曲は、美咲の気持ちを置き去りにしてラジオのパワープレイに選ばれ、連日鼓膜を揺さぶってくる。
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