芸術の持つ『 』を、今一度。

──異世界×アート。

もうこの時点で興味を惹かれますよね。
ご存知の通り、世の中には芸術と呼ばれるものは沢山あります。

詩や小説といった言語芸術、絵画や彫像、浮世絵といった美術芸術──上げていけばキリはありません。
大前提として、芸術には作品(表現物)と鑑賞者が必要となります。そしてその目的は「精神的・感覚的な変動を得ようとする」こと。
それを頭の片隅に置いた状態で、本作品を楽しんで欲しいと私は思うのです。

そして創作活動を行った経験がある貴方。
きっと共感できる部分があると思います。
登場人物の一人、画家のサーザント•クリス氏のような経験をした人もいるでしょう。もしかすると、サンダリアンのような経験があった人も居るかもしれない。2章より登場するモルファーのように、何かを抱えて生きる人もいるでしょう。

それでも彼らは頑張って、前に進み続けた者達です。一癖も二癖もあるような彼らが前に進む為、奔走し時には彼らのケツを引っ叩く女性──星野レイ。
彼女は流れ星へ願った結果、異世界へ流れ着いた異質な存在です。元の世界では受賞歴のある一般人、悪く言ってしまえばありがちな境遇。
けれど、兎に角ポジティブである。
何度もピンチになるし、どうにもならんやろこれ…っていう時も諦めないんです。何時だって引っ張って行ってくれる素敵な(おっぱいのついた)イケメン。
なんか読者にも勇気というか、活力を与えてくれるんですよ彼女。

正直それだけでもう一読の価値ありです。
ヒューマンドラマとしても愉しめるし、アートの事も識る事ができる。他に類を見ない作品ですので、是非読んで頂ければと。

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