四民族の交わる多民族国家、エリストリア連合国。そのとある有力貴族に仕える女奴隷、リディアさんが本作の主人公なのですが――
陰謀渦巻く宮廷で、密偵として華麗に立ち回りその毒牙を暴きます!
バディとも言えるヒーローは、騎士のアデルさん。王族に仕える彼が元「奴隷」身分のリディアさんを守る指令を受けた時は渋い顔をしますが、彼女の度胸と愛嬌、何よりその知力と機転を活かして王子を守る働きぶりにその心も変化していきます。
異世界での四つの異文化ですが、それはスパイスの香りや華やかなダンス、義理堅い国民性など想起しやすく、その交わりにもワクワクしました。
スリリングな展開の結末には拍手で立ち上がってしまいますが、それは巨大な陰謀の幕開けに過ぎない――と予感させ心躍る余韻。
「奴隷」という身分すら武器に変える赤き薔薇と誓いを捧げる剣、この関係と活躍に釘付けです!
「賢いヒロイン」コンテスト書き下ろしながら続きも練られているようで、連載が楽しみです♪
こちらの作品は「賢いヒロインコンテスト」参加作です。そして、正真正銘の「賢く美しいヒロイン」が密やかに活躍する物語でもあります。
このテーマにピンと来た方々、ぜひご一読ください。きっと心に刺さるはず!
主人公は女奴隷リディア。
類い稀な洞察眼と多彩な知識により、宮廷の陰謀に立ち向かいます。
本作で特に目を惹くのは、作り込まれた世界観。特に、四民族の文化風習がリアリティに溢れており、本当にこんな国家があるのではないかと思えるほどです。
また、キャラクター設定も秀逸です。
先に述べた世界観の作り込みが基盤となり、一人一人の背景が書き込まれています。価値観や行動原理が明確なので、納得感のあるストーリー展開になっているように思えました。
そして何より、これらの設定すべてが「賢いヒロイン」の裏付けへと繋がっていることに目を瞠ります。
一本筋の通った物語。すごいの一言です!
本レビューを書いている現在、序章まで公開されておりますが、大作になる予感に今からワクワクが止まりません。
ぜひ、多くの方にお読みいただきたい作品です!
とても面白かったです!!
奴隷という身分で相手を油断させ、知恵と機転で陰謀を炙り出していく主人公リディアが、何より魅力的でした。
深い洞察力と行動力、揺らぐことのない意志を持ち、したたかで媚びのない、強く賢く、冷静かつ熱い心のヒロイン。最高です。
舞台が多民族国家であることが物語の中核であるため、固有名詞も多く登場するのですが、一つも混乱することなく読み進められました。
それぞれの民族の文化や信仰、言葉や気質の違うことが展開の中で大きな説得力を持ち、また事件を解決していく決め手にもなっていて、非常に面白く読み応えがありました。お見事!
一緒に行動することになった騎士・アデルとの関係性の変化も絶妙です。それぞれの信念と、徐々に結ばれていく信頼関係が熱い。
スリリングで緩急の効いた展開で、ぐいぐい先を読ませます。ここまでで序章とのことですが、続きが気になって仕方ありません。
さぁ、みなさんも!読んで!