多民族の不和に揺れる宮廷で、豪胆にしなやかに暗躍する気高い女奴隷の物語

とても面白かったです!!
奴隷という身分で相手を油断させ、知恵と機転で陰謀を炙り出していく主人公リディアが、何より魅力的でした。
深い洞察力と行動力、揺らぐことのない意志を持ち、したたかで媚びのない、強く賢く、冷静かつ熱い心のヒロイン。最高です。

舞台が多民族国家であることが物語の中核であるため、固有名詞も多く登場するのですが、一つも混乱することなく読み進められました。
それぞれの民族の文化や信仰、言葉や気質の違うことが展開の中で大きな説得力を持ち、また事件を解決していく決め手にもなっていて、非常に面白く読み応えがありました。お見事!

一緒に行動することになった騎士・アデルとの関係性の変化も絶妙です。それぞれの信念と、徐々に結ばれていく信頼関係が熱い。
スリリングで緩急の効いた展開で、ぐいぐい先を読ませます。ここまでで序章とのことですが、続きが気になって仕方ありません。
さぁ、みなさんも!読んで!

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