エリート変人と麗しき変人の奇妙な契約

作者 aoiaoi

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★★★ Excellent!!!

 タグの通り、これは「男×男」という関係性が描かれている。その一方で、やはりタグの通り、「BLで括らないでほしい」のだ。何故なら、これは現代社会が抱えるジェンダーの問題であり、性的マイノリティの問題であり、人間愛の物語だからだ。そして会社の在り方や、職に就く意義さえも含んでいる。
 主人公は高学歴ながら、ガソリンスタンドでアルバイトをしている青年。そこに会社副社長の美青年が現れることから、物語が始まる。主人公と副社長は、ある契約を結び、距離を縮めていくが、副社長には婚約者がいた。そして主人公に牙をむく副社長の崇拝者。そんな中、副社長が以前恋人を失っているという事実が明かされる。互いを必要とし、大切に想っているのに、何故か主人公は副社長の元を急に去ってしまう。そんな中、副社長は婚約者と会っていた。美人だが人のことを想えなかった婚約者も、主人公に感化され、別人のようになっていた。
 主人公と副社長。その父親である社長。秘書。婚約者。美容師。上司と部下。それぞれが自分の大切な人を見つけ、自分の道を見つけ、不器用ながらも人を想い、幸せを願う。その葛藤を、男性同士の恋愛という形で描いている。
 そして、主人公が副社長に渡したUSBメモリーには、副社長の会社を救うデータが入っていた。それを知った副社長は、秘書とある計画を実行する。
 他人が他人を本当の意味で思う時、進むべき道が現れる。
 一気読み必至の、純愛人間ドラマ。

 是非、是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

BL作品はどちらかといえば苦手な部類で、あまり閲覧したことはありませんでした。
禁断の世界をのぞき見るつもりで、作者様の作品に触れ、主人公の大人の色気と愛人契約をした可愛い彼に魅了されてしまいました。

なんだろう……。
BLなのに、胸キュンも、萌えキュンもしてしまうじゃないか……。
人と人が愛し合う姿が、こんなにも純粋で美しいものだとは……。

ラストシーンに心もほっこり。
とてもピュアな恋愛小説だと思います。


★★★ Excellent!!!

とかく大人になると、色々と角を削られて丸くなるものです。
いいことは多い。でもちょっと寂しいところもある。

泥より出でて泥に染まらず。
泥の蓮池に咲く美しい蓮の花のようなイメージ。
ちょっと変人なエリート主人公だけど、なんと真っすぐにすっくと咲くことか。
分かってるし、配慮できるし、底に強さのある優しさがある。

相手を想う。視点を相手側に置く。ひたすら相手の幸せのために行動する。
欲というのは自分本位。
それはそれでとても人間らしくて、それがあるからこそ人は熱を持って前に進めるものだけど。
ただ、この主人公はそれを超えてる。
だからこそ周り全てを巻き込んで、みんなを幸せに導いていく。
もちろん自分も含めて。

ピュアなんです。ひたすら澄み切って美しい。だからこそ引力がある。

大人になると色々と諦めがちです。そんなものだと動く前からやめてしまう。
それでいいこともある。ただそれって何か違うと思ったままだとしんどい。

この小説の登場人物はみな、スイッチを押す手前だったのかなと。
主人公がパチリと入れた途端に、全てが連鎖して一気に花開いた。

純粋で真っすぐ。美しくて時々コミカル。深みのあるビタースイート。
極上のチョコレート。さあ召し上がれ!

★★★ Excellent!!!

作者は変態さんです。
フィクションを書く以上、想像力を駆使することは当然ではありますが、それだけでは限界があります。読者にリアリティを嗅ぎとらせられるものに仕上げるためにはやはりそれなりの実体験がなければ書けないものです。

前置きはさておき、ですが、私はノーマルな部類に入る人間で、BLものは苦手と言いますか、これまであまり読んだことがなかったんですね。なんだか背筋が寒くなる思いをするといいうか、ケツの穴がキュってなるというか……。

そんな私が最後まで目を離さず、クリスマスにラストを見届けようとしてしまったのが今作です。本当の事を言ってしまえばやはり、要所で背筋が凍りつきましたし、そのあとトイレにも行きましたけど、それでもやはりこれは最後まで読まねばならない、そんな強い気持ちにさせられるお話でした。登場人物のベクトルがいろいろな方向を向いているのですが、それぞれに味があるんですよね(ちなみに私は野田さんが好きでした)。

私同様ノーマルな皆さんも、この「未知の世界」を是非、覗いてみてください。

★★★ Excellent!!!

大切なものってなんだろう。
大切なことってなんだろう。
本当に大切と思えるのは何。

生きずらさを感じることが少なくない社会の中で、揺れて揺れて揺さぶられた中で辿り着いたところとは――。

その想いは困難をも越えてゆく。
その願いは困難をも制してゆく。
それはきっと、強い意志の力だ。


本当に、素敵な作品をありがとうございます!!!

★★★ Excellent!!!

この物語を “二人の「変人」の同性愛ストーリー” と書き表すと、ずいぶん変わった物語のような印象を受けるかもしれません。

けれども、この物語は “誰かを愛するということ” の喜びや苦しさを、誰もが深く共感できるように極めて普遍的な視点で繊細に描いた珠玉のラブストーリーなのです。

そもそも、主人公となる二人の「変人」である柊くんと神岡さん。
確かに彼らは常人とはかけ離れた要素を持ってはいますが、その “変わっている” 部分が非常に魅力的。
そんな彼らならば性別関係なく誰もが魅了されてしまうのも納得です。

個人的には超エリートで類まれなる美しい容姿をもった神岡さんが、天真爛漫な色気を存分に漂わせつつも少年のような純粋さも垣間見せ、さらには細やかな気遣いと包容力の高さを見せながらもベッドの上では情熱的でちょっとSになるという、そんな人が傍にいたら絶対に惚れてまうやろ的なパーフェクトヒューマンである点もこの物語を読み進める推進力となりました!←熱意

そんな神岡さんのハートを撃ち抜いた柊くんもまた、賢い猫のような男の子で、魅力的なのです。
お互いへの思いを深め合いつつも、このまま馴れ合いで関係を続けてはいけないと自分を強く戒めていて……。

そんな柊くんが出した答え。
それを受け入れられずに再び自暴自棄となる神岡さん。
二人を支える周囲の人々。
孤独を抱えた彼らが、前へと進み始める瞬間。
全てのシーンがとても繊細に描かれていて、後半は誰もが彼らの愛を応援したくなっているはずです。

本作品はエンターテインメント作品でありながらBLというジャンルを越え、誰かを愛する気持ちがとても美しく純粋なものであることを強く訴えかけてくる、全ての大人におすすめしたい名作です。

★★★ Excellent!!!

かわいい魅力を持った柊くんと、素敵な魅力を持った樹さん。
突然めぐり合った二人のラブストーリーなのですが、一筋縄ではいきません。同性同士であること、社会的位置を持つ樹さん、その美しい婚約者。樹さんに恋する男性も現れて、波乱万丈の展開です。

後半は涙と共に拝読しました。

私事ですが。先日保護した猫さんがいて。数週間一緒に過ごしました。首輪をしていたので色々な機関に連絡し、様々な迷い猫掲示板に投稿しました。かいあって飼い主さんが見つかったのですが。保護猫さんは元々私の家族ではなかったのですが、急に二度と会えなくなって。どうすればいいいのか分かりません。どうしようもないのですけれどね。聡明な柊くんを飼い猫さんに例えてはいけませんが、あの猫さんも柊くんのようにIQの高い猫さんでした。猫さんが鳴く幻聴が襲います。部屋のあちこちに猫さんがいた気配。
そんな喪失感を、リアルに追従させていただいた作品でした。

いっぱい泣いて、すっきりしました。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

いつも側にいて欲しいほど好きな人のために。
奪いたいほど愛する人のために。
一方的な契約を持ちかけたエリート変人と、己の将来を決めかねたままその契約を受け入れた麗しき変人が、それぞれに自らの愛と向き合い葛藤する純愛物語です。

本当の愛は何だろう?

性別という枷に囚われず、愛する人のためなら少しくらい無理をしてもいいんじゃないか。そんなメッセージも読み取れるような作品です。

変人同士から恋人同士になるシーンはニヤニヤが止まりません☆

★★★ Excellent!!!

ひとを好きになるのに理由なんているだろうか。
そこに禁忌はあるのだろうか。
好きになってはいけないひとを好きになって、ただひたすらにそのひとの幸せを願う。
美しくて、切なくて、苦しくて甘い。

もっと狡くなればいいのに。
我が儘になればいいのに。

そう思いながらも、主人公の無償の愛に惹かれずにはいられない。
そして、幸せを願わずにはいられない。

彼が彼の幸せを願ったように、
私は彼の幸せを願う。

★★★ Excellent!!!

純真で素敵なラブロマンスです。
背景はちょっと腐っていますけれど(笑)
でもその腐肉と腐臭が良い感じに撹拌されていて、かなり真剣に読まされてしまう。狭い世界で生きる人達が抱える真剣な想いを上手に描いていて、読むほどに切なさが込み上げてきます。少しだけコメディ要素を挟んでいるのも良い風に影響し、BL作品だということを忘れて読みふけってしまいました。
腐っているのに透き通ったクリアな世界観が眩しい。