シャル青井

舞台は今よりはるか未来。 『戦争』やらなんやらを経て、人類はかつての技術を無くしたり忘れたりしているような時代に生きている一人の少女、エリカ。 彼女のアルバイト先である『がじぇっと…続きを読む

猿が無限にタイプライターを叩き続けてシェイクスピア作品を生み出す可能性はゼロではない。 それが、無限の猿定理と呼ばれるものだ。 これは、そんな可能性に挑む一人の男の物語である。 そ…続きを読む

ソーシャルゲームの世界に入り込んで、もっと柔軟にプレイできたら？ そんな世界を丁寧に描いた作品であるのだが、 そんは異世界転移モノとしてだけでなく、 何処かで見たことあるような各種…続きを読む

料理は愛情。
でもその愛情のズレが、味覚以外の味を変えてしまうこともある。
愛しているのに、その愛こそが悲しい短編です。

なんでも捨てても換えがきく時代、断捨離はどこまで行くのか。 そんな想像がギュッと短い中に凝縮されている。 大切なものを捨てると一緒に魂も捨ててしまうという表現もあるが、彼女の魂は残…続きを読む

置いてきた魂をもう一度蘇らせる場があれば、彼らは何度でも蘇る。
自分にも心当たりがあって、読んだ後なかなか微妙な笑顔になりますね。

『６００円』の時点でなんとなく嫌な予感はしていましたが、そう来ましたか。
冷静になった時にはすでに遅し。

もし一週間が７日の世界に迷い込んでしまったら？ ７７７字の中でその事実に向き合あおうとするとき、 相手の口から明かされるもう一つのズレた世界。 コンパクトな中にまとまった不条理なお…続きを読む

この物語はとにかく、主人公である少年ラストの見る世界の形である。 細工師の夢を絶たれた中で見る魔法の隆盛しつつある世界。 魔女と出会い、そこで見た杖。 杖作りの先生となった魔女アイ…続きを読む

本作の主人公、飯田先生はいかにもインドア派な文筆家である。 彼が何故ダンジョンに潜るのか？ そこにダンジョンがあるから……なのだが、それはあくまで編集による外圧であり、本人の乗り気…続きを読む

この作中で語られている黒道氏の弟さんによる壮大な実験については、自分もリアルタイムで見たこともありました。 曰くだけがある竹藪、興味本位だけの心霊写真もどき、ワオというどこにもいな…続きを読む

表の顔は薬剤師、裏の顔はクスリの監督官であるインテリヤクザ香食禮次郎。 彼の人生は、行き倒れの謎の少女、クチナシを拾ったところから動き出す。 奇妙な『夢』、次々に起こる『事件』、そ…続きを読む

プラネットとという超リアルVR格闘ゲームがもたらしたのは、ゲームの枠を超えた理想の追求だ。 他人を殺してはいけない、暗殺拳の継承者であった葵も、ここではそんな至極当然な社会規範の枷…続きを読む

勇者レオは最強である。 ただ一人で魔王軍を全滅させる程の力を持ち、世界を救ってきた。 そんな勇者がなぜ魔王軍に志願したのか。 この物語は、勇者レオが勇者の経験を活かして社会人として…続きを読む

商店街で古書店を営む天崎朝美の元にやってきたのは、疎遠だった両親の死の知らせと、家を出てから生まれた年の離れた妹、真昼。 代り映えしないことを良しとする穏やかだった彼女の生活は、…続きを読む

いやぁ、ハイカラだなぁ。

まずなにより印象的なのが、怪物の登場によって空を失った人類というその設定だろう。 世界のあり方を強く示し、なにが危機でなにが恐ろしいのかを実感として知ることが出来るのが強みだろう。…続きを読む

【石川布団】という売れないライトノベル作家。 彼は、何を考え、いかに苦しみ、どう書き進めるのか。 私小説風フィクションではあるが、ここで語られる心境は限りなく本物に近いであろう。 …続きを読む

三流新聞社の冷血記者の関と、彼の旧友であるアル中三文文士の大久保。 そんな二人の社会のはみ出し者が、今日も怪異の取材に挑む。 あまり人間的によろしいとはいえない二人の軽妙なやり取…続きを読む

文明の灯が消え、怪物が跳梁跋扈する極寒の地、北海道。 怪物を狩るのは、同じように異形の力を身に宿した少年少女たちである。 主人公たちもそんな怪物狩りのチーム『ワイルドハント』として…続きを読む

幼き頃にニングとなった青年、ジュイキン。 この物語は、彼の再びの死と人生の転換の物語だ。 中華風の世界を舞台に、魂のあり方を巡る戦闘活劇。 何故生きる、どう生きる。 ニングという存…続きを読む

あなたに影はありますか？ 影をなくし、人でなくなってしまい、それでも人の中で生きねばならなければ、そこに待つのは苦難でしかない。 耐えても、やり過ごしても、いつか何かが起こってしま…続きを読む

土方歳三は様々な地を戦い歩いてきた。
その最後となったのが箱館。
これは、そんな土方と、最期まで共にあったあるモノの物語。
侍の時代の終焉の後に、侍であり続けようとした男の物語。

第一章を読み終わった時点では、これはいかにも熱き青春とその影にあるもう一つの青春の物語である。 主人公と悪友たちがつるみ、そしていくつかの出来事の後、改奇倶楽部という集まりとなり活…続きを読む

様々な仕掛けの施された作品なのでなにを言ってもネタバレになりそうなのですが、序盤でばらまかれた些細なアレコレがひっくり返ったり繋がったりしていく様は「おおっそう来たか」の連続で爽快…続きを読む

タイトルも直球な『幸福な王子』をモチーフとした話でありますが、それを外側にいる人間に何が出来るのかという話で、そのままならなさが原作通りに物悲しい話です。 優しき二人が見たからこそ…続きを読む

それぞれの話の中で起こる、不思議だったり不思議でもなかったりする出来事たち。 そんな小さな物語の中でのささやかな答えが、どこか心に染みとなって広がっていくような雰囲気である。 笑え…続きを読む

突如寂れた漁村に現れ、あっという間に村の人間を洗脳した謎の人魚。 知った顔が感情をなくし、操り人形となって襲いかかる。 そんなホラー的状況を打開するのが……ババアだ！ 謎多きババア…続きを読む

ゼロ、イヤむしろ印象マイナスからのヒップホップ講座。 突如として起こったフリースタイルダンジョンのブームとそれによるヒップホップの隆盛。でも一体何がどーなってるの？ これはまさにそ…続きを読む

北欧にある、死者のための都『インゴルヌカ』 この街こそが物語の最大の魅力である。 雪のように白く、そして雪解けのように汚らしい。 死者たちが認められるがゆえに死者がうろつき、そして…続きを読む

怪物が跋扈する荒野で欲望のままに生きる死体娘たちの享楽的な生活を欲望のままに描いてぶつけた意欲作。 通常の人体では不可能な改造を施したゾンビレディがやりたい放題暴れまわり怪物を殺し…続きを読む

魔王と勇者、それは人を超えた能力を得たヤクザとヤクザ殺しである。 そんなクズであると自覚する勇者ヤシロと、彼のもとに飛び入りで弟子入りする三人の『個性的な』ネジの飛んだ美少女勇者た…続きを読む