死者の街、死者の心、そしてある親子の話

北欧にある、死者のための都『インゴルヌカ』
この街こそが物語の最大の魅力である。
雪のように白く、そして雪解けのように汚らしい。
死者たちが認められるがゆえに死者がうろつき、そして使役され、処理されていく街。
その二面性と、様々な死者のための技術、そして死者でありながら人間のあり方を持ち続ける登場人物たち。
それらの雰囲気がこの北国の街に凝縮されている。
死者と生者の境界とはなんなのか。こんな街の中だからこそ、それを描く物語がある。

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