シャル青井

夏に続いていた、少年と人魚のささやかなひとときとその終わり。

そこにある距離は人と人魚のものだったか、それとも大人と子供のものだったのか。
そんな夏の傷跡が詰め込まれている物語。

氷河期を迎え、雪に閉ざされ、恐るべき魔獣が闊歩する世界。 そこに残った僅かな希望を保つため、 少年少女を改造し、獣たちと戦わせることを選んだ人類。 これはそんな世界で戦い生きる少…続きを読む

禁じられた質問、47センチ。
チャットAIはそれについて答えを出してはくれない。
それをこじ開けた質問の先に待つものは、はたしてなにか。
そして質問ははじまります。

トウム・ウル・ネイの風習については、 この作品を読むまでにもどこかで聞いた気があった気がしている。 子供の頃に読んだ図鑑の片隅だったか、 なにかのテレビ番組のいちコーナーだったか、…続きを読む

《怪異》の事件を解決する、 図書準備室の奥にいるという『七不思議』の名探偵、白銀ミサキ。 そこを訪れた春日ハルトは、 そんなミサキとともに《怪異》事件に挑んでいくことになる。 だが…続きを読む

ストリートミュージシャンとしてギターを鳴らす女性。 彼はそれを見つけては、いつもその歌を聞き、五〇〇円を入れていく。 歌でつながる彼女との気持ち、そして五〇〇円に託された思い。 …続きを読む

付き合いそうで付き合ってない、 なんなら互いと自分の好意さえ気付いていない男子と女子。 それら両名とそれぞれに友人やら妹やらといった関係にあるならば、 そりゃ彼と彼女の関係は間違…続きを読む

何気ない日常の中で語られたモノリスの話。 そんな今日のこの日も、光村くんの『モノリス』に刻まれていって、 いつか何かに届くのだろうか。 そういう日常の雰囲気の刻まれたこの小説もま…続きを読む

ある日、恐るべき邪教に囚われ、その儀式に巻き込まれることになった 道眞、百舌鳥、生出の三人は、 教団によって現在と、過去と、未来を踏み躙られる。 それでもなんとか脱出した道眞と百…続きを読む

懲役99999億年。 その懲役にふさわしいババアが、悪も善もねじ伏せて、最強の悪となる。 目的は唯一つ、ただ愛すべき孫娘のため！ 驚愕の勢いに満ちた戦いの果てにあるババアの生き様…続きを読む

世界が滅ぶまであと七日。 既に人類がいなくなったその世界に残された、自我を持つAI。 ある人物の『娘』として作られた彼女は、その世界で一人思弁を続ける。 永遠と無とその終わりから見…続きを読む

このメロスの速度は、時速１２３５キロメートルまで達する。 そしてもう一つ、このメロスの速度の土台にあるのは企業WIKIである。 このメロスはセリヌンティウスを救わない。 だがは彼…続きを読む

これはどこにでもある、ごくありふれた、 虎にも、人間にも、何者にもなれなかった少年だったものたちの話だ。 山月記を知り、虎に想いをはせても、 そこにさえに届かないことを知りながら…続きを読む

彼がいったいなにをパクった、もとい、そっくりな作品を出してしまったのか。 彼が本当に盗作を行ったのかどうかは、彼の弁明を聞いて判断していただきたい。 ただ一言だけ付け加えるなら、…続きを読む

もし様々な都市伝説や怪異が、チェーンソーを用いて襲いかかってきたら？ 立ち向かうにはこちらもチェーンソーを振るうしかない！ そんな刃と刃のぶつかり合い。 怪異のバリエーションも豊富…続きを読む

人生に疲れ果てた巴蝉喜と、 そんな彼の前に久々に現れた幼馴染である七瀬カナオ。 物語は逃避のように始まった二人の旅であり、 その果てに待つのは、もういない人々との再会を果たす不思…続きを読む

訳アリの男、ダルス。 かつて『死神』と呼ばれた彼が現れたこととにより、 寂れた鉱山街に波乱と激動が広がっていく……。 ダルスという男の、優しさ、孤独、強さ、悲しみ……。 それらを…続きを読む

ティツィーリア女学院で競い合ううら若き乙女たち。 ゴーレムとあだ名されるような感情の出ない天才『メリア』と、 感情剥き出しでメリアを超えようとする二番手の『エリィ』 ぶつかり合う…続きを読む

北海道、夏祭り、集団で行われる儀式……。 いやそれは、儀式と呼ぶにはあまりにも全校集会過ぎた。 宇宙からもたらされる叡智と、人々の愚かさ。 そういったものの果てに、彼はなにを見るの…続きを読む

妹を選べないなら、こんな世界はもう滅ぶしかない！

圧倒的な力を開放しすぎたら、
そりゃまあ、爆発するしかない。ということ。
いい話っぽい気もしていたのになー。

それでももちろん爆発オチ。
あなたはこのトロッコから脱出できるか？

人間に紛れて生きることも当たり前になった吸血鬼。 血も吸わず、己の出自を隠して生きる生活に誇りはあるのか。 それに抵抗すべく田字草先輩が打ち出した案は 『自分たち吸血鬼のための宗教…続きを読む

世界を『修正』するものに立ち向かうのは、熱く、不健全なる者たち！ 圧倒的な力を前に、世界すらも上書きする脅威の前に、 それでも、彼は言葉に希望を見出す！ そんな勢いと下品ワードにま…続きを読む

『常に』夏を楽しむという恐るべき部活、夏部。 この謎部活の部員たちはいつだって、 たとえ三学期の雪のちらつく日だって、 夏をエンジョイし続けるのである。 そんな彼らの日常を切り取…続きを読む

彼女の喜ぶ顔を見るためにアップルパイを作りましょう。 料理はゲームと同じように、リソースの管理でどうにかなる。 でも、彼女の心は、彼の心は、そうそう答えは見つからない。 細々とし…続きを読む

テープを再生すると現れる初恋の化身のような『彼女』 だが彼の初恋は、それまでの様々な持ち主と違い、 もどかしく、まだ彼の心の中にだけあるものだった。 彼女に語り、彼女の話を聞いて…続きを読む

明らかに、付き合っていると思われる男女が、付き合っていないと言う。 隠しているわけではない、彼らは本当に、そう思っているのだ。 それを見守るとき、人はどのような感情と感想を持つだろ…続きを読む

年齢も性別も歩んでいる人生もまったく別の二人の夏休みが、 古いゲームセンターの筐体を挟んで交わる。 かつて、ゲームセンターはそういう空間でもあった。 ゲームとその体験が既に『古い…続きを読む

夏の山村――老人から語られる怪異、何も起きないはずがなく……。 いや、この村ではオチが乱立して平常運転すぎるし、 それ以上に怪異どころじゃない危険がありすぎる。 そんな恐ろしい村…続きを読む

夏休みが終わり、決断の一日になるはずだったところに現れるバンドメンバー！ 屋上で始まる解散ライブ！ なぜ彼らは解散するのか。 なぜ彼らは始業式をブッチして屋上でライブをするのか。 …続きを読む

夏休み、受験生には最大の追い込みシーズン。 でも、それだけで終わらせるのは納得がいかない。 じゃあ一日で、夏の楽しいこと全部やってしまおうよ！ そんな風に夏を一気に駆け抜ける、小…続きを読む

魔術師の父と魔術を使えない息子。 そんな二人のいつもの『仕事』が、ある日突然崩れ落ちる。 恐るべき敵、明かされる秘密、剥がされる信じていたもの。 そうなった時に、逆舟勢馬がそれでも…続きを読む

この物語は、たった５行でしかない。 でもその五行が、様々な言葉を持ち、冒険へといざなってくれる。 最後までたどり着いた時、きっと読者も６行目以降をそこに見出すことだろう。 言葉と…続きを読む

扇風機の前で定番の『ワレワレハウチュウジンダ』と話す少女。 扇風機は扇風機なので、それを真実であると認識する。 でも、扇風機はいつでも彼女を見ていた。 見ることしか出来なくても、ず…続きを読む

これは、ある復讐を巡る様々な物語である。 クラウドファンディングに人々が金銭を寄せるのは、 そこに主催者の想いを見るからであり、 対価と思惑を乗せるからだろう。 そういう意味で、…続きを読む

『時間を入れた』そんな冗談のような缶詰が、不意に本物になってしまう。 時が過ぎればすぎるほど、缶詰の中の『時間』も熟成されていく。 缶詰の中に残った時間が、いつか日の目を見る日はく…続きを読む

死者が打ち上げ花火となる、この世界より少しだけ奇妙な世界のお話。 それ故に生じる倫理観のズレと、変わらない死に対する畏怖や人との距離感、 そしてそれらを象徴するような花火の綺麗さが…続きを読む

こういう直視するのもためらわれ、なおかつ笑える悪ふざけこそが、
悪いインターネット文学ですよね。

ある日の放課後、オカルト好きのドロシーが口にした驚愕の事実。 その意味を理解できるからこそ、彼は『選ばれた』のだ。 彼女が言葉を続けるたびに、その行動と言葉の不気味さが際立っていく…続きを読む

小学生のカナの前に現れた叔父の『マナちゃん』。 モデルを名乗る彼は、それまで周囲にいたどんな大人とも違う、 いわゆる悪い大人だった。 作品の、子供から見た大人の世界を通して見える…続きを読む

世界には敵が多い。
それが一体何者なのか、『読んで』確認するしかない。

ここに集められた歌は、時事ネタやオタクネタ、 その他教室の隅でボソボソとつぶやいたような言葉の集まりである。 だけどだからこそ、これらの歌しか持ち得ない鋭さ、美しさ、みずみずしさに…続きを読む

高校生女子と、昔からの兄のような存在の彼。 お互いに想い合っているはずなのに、 そこの形が違っていて、それを認識しれない二人。 アップルパイの欠片は、二人の距離を詰めるのか、詰めな…続きを読む

どこにでもいる地味でシャイな女子高生の砂井さくらさんは、 実は『人以外を撃つスナイパー』 そんな砂井さんのことが大大大好きな彼氏の兵太くんは、 砂井さんをただ見守るだけだけど、その…続きを読む

転校生の男子『美兼くん』と、 主人公の唯一の友人である『キョーコちゃん』。 キョーコちゃんは美兼くんを避け、 美兼くんはなぜかキョーコちゃんを隊長と呼ぶ。 そんな二人の様子を『いい…続きを読む

言葉、ことば、ことばことばことば……。 彼女のこんなにたくさんの言葉は、きっと先輩に届いていない。 一方通行な感情と、そこから生まれる残酷な反応。 だからきっと先輩は、また今度も同…続きを読む

地方都市の、感受性の強い、どこにでもいるような少女。 でも彼女は、少しだけ違った恋をした。 彼女が見ているのは、バイト先のカフェのいつもの席に座る冴えない彼。 これは彼女が彼女自身…続きを読む