ふわふわして可愛いのにライフルを持ったら仕事モードに入るさくらさんと、さくらさんをそばで見守る兵太くんのラブストーリー。
さくらさんの二面性が魅力的で、そのどちらともを支えている兵太くんの振る舞いが素敵です。好きな子の「かわいいな~」と「かっこいいな~」を両方噛み締めることができる兵太くんは幸せ者だ。
さくらさんの可愛さは兵太くんの視点でたくさん書かれているのでダイレクトに伝わってくるのですが、この兵太くんの良さが、彼のその語り口の中に滲み出ていてすごいです。それをきちんと言語化してくれる友人の存在もあるのですが、思考そのものが善に溢れていて優しくて、兵太くんを好きにならずにはいられません。そこがこの作品の大きな魅力になっていると思います。
最後は恋が愛へと変わり、ますます強くなった絆と共に未来を見つめる二人。最高にハッピーなラストが待っています。
人以外を撃つスナイパーの少女・砂井さんとその彼氏・兵太くんのお話です。
砂井さんは小柄でちょっと内気なところもありますが、狙撃の腕は天才的。仕事中は凛々しくてとっても男前。
兵太くんはどこにでもいそうな普通の男の子。でも、確かな芯があって人並みならぬ優しさを持っています。
こんな恋人たちがほのぼのと、イチャイチャと平穏な日々を送ります。
そんな本作ですが……甘い。甘いです。綿菓子ぐらいのゲキ甘。
例えるなら、そう、貴方が初めて誰かと付き合って、初めてのデートの約束をした。前日の夜、ベッドで素敵な明日を思い浮かべる。澄み切った青空の下、貴方は精一杯おめかし、やってきたあの人の笑顔、見つめ合えば気持ちまでわかるような気分。きっとこの手を差し伸ばせば握ってくれるに違いない――。
そんな最高の想像だけを切り抜いたかのような甘く優しい作品です。本編中には嫌味や棘が一つも無く、読んでて不安を感じることはありません。一種の魔法に掛けられているような感じで、夢のような時間です。
そんなお話が一話完結で幾つもあるんだから、もう大変ですよこれは。しかも最初は付き合いたての雰囲気だった二人が、どんどん距離を詰めていくのだから溜まりません。一話読む度に盛り上がる一方ですが、忘れてはいけないもう一つの要素、砂井さんのスナイパー要素が非日常のアクセントとして効いています。狙撃シーンや武器商人のリンゼさん等、緊張感のある場面が挿入されることでお話にメリハリがついて一層魅力的に仕上がっています。
超一流スナイパー・砂井さんの本領は正確な予測力。彼女が見通す先、二人の将来や如何に?
どうか貴方も砂井さんがスコープ越しに覗くように、雲前橋の街でデートしている砂井さんと兵太くんを見守ってあげてください。