これはどこにでもある、ごくありふれた、虎にも、人間にも、何者にもなれなかった少年だったものたちの話だ。山月記を知り、虎に想いをはせても、そこにさえに届かないことを知りながら生きていくしかない。だから、虎になれなくても、吠える。