牙を取り戻す。その『祈り』がもたらすのは、救いか、それとも……

人間に紛れて生きることも当たり前になった吸血鬼。
血も吸わず、己の出自を隠して生きる生活に誇りはあるのか。
それに抵抗すべく田字草先輩が打ち出した案は
『自分たち吸血鬼のための宗教を作る』こと。

いきあたりばったりな子どもの夢物語、ではなく、
先輩は着実にその筋道を整えていく。
そして彼らの始めた『宗教』はやがて……。

『終』まで読んだ後、空気の一変する感覚が恐ろしい一作です。

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