概要
※新字新仮名遣いにて掲載
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!パルプフィクションとしてドキュメンタリーを書く事
最初はおそらく冒険者あるあると戦前テイストを掛け合わせた全く新しいダンジョン飯だったはずなんですよ、ノリとして。
キャラが命を得、世界が色彩を纏うにつれ、その背後に実はあったものが、覆いかぶさってきてしまった…これは路線変更ではなく必然だし、同時に、きっと作者自身にとっても未知の開拓だったんじゃないでしょーか。
おそろしい事ですが、感動します。ええもう言っちゃいますよ、「感動した」って。他に思いつかないもん。とりあえず一話二話読んだよって段階の人には信じられないでしょうけどね。
とある重苦しい要素が内在しますが、基本的には優しい世界なので、ご安心を。スチャラカ冒険譚のつもりで読み進めて、ほ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大正風味と不思議のダンジョン、化学反応は想像を越える
本来ならば、絶体に噛み合わないはずの要素が噛み合い、それゆえに面白い。大正風味が好きな人はダンジョン探索系に興味を引かれるだろうし、ダンジョン系が好きな人は大正風味に興味が出るだろうと思える、そんな怪作です。
なんといっても、まず目を引かれるのは大正感が非常に強い文体。良い意味で「似非大正」といった空気なので、太宰とか芥川とかそういった堅い文章にに目を引かれる人はどんぴしゃりだろうし、かといって「そう言う文体が読みにくくて……」という人にも進められるくらいの読みやすさ。まずは、この奇跡のバランスを楽しむためだけに読んでも良いと思います。
ただし、当然ギャップ感による笑いもある。<プリース…続きを読む - ★★★ Excellent!!!戦前レトロ作家、迷宮を探索す
「――東京市地下ニ大迷宮出現セリ」
現代から見れば『文豪』と呼ばれるであろう昭和初期の時代の作家先生が、東京の地下に突如出現したRPGなどによくある『ダンジョン』を探索する、紀行文形式の作品です。
当時の作家を意識した文体を用いて西洋ファンタジー風のダンジョンを潜る様は、現代との文化のギャップもありとても面白くてクスリと笑えます。
レザーアーマーに身を包んだ作家先生がダンジョンを探索し、ファイアーボールなんかが飛び交う中ゴブリンを相手どる! ……そんな話を編集につつかれながら原稿を書き上げる様子が浮かんでくる、とても斬新且つ親しみやすいお話になっています。
昭和初期を意識した文体ということで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!見果てぬ地平、見果てぬ夢、幻想の迷宮とその果てへ
どういう話なのか、それはタイトル・キャッチコピー・あらすじ紹介を見れば一目瞭然。もう題材の取り方からして面白い。
ダンジョン要素はウェブ小説ではありふれているようだが、一方の「戦前の帝都東京」というロケーションがその文体に活かされており、ここが本作独特の魅力を放っている。
つまり大正レトロな文体なのだが、「※新字新仮名遣いにて掲載」という親切な但し書き通り、旧漢字などはほぼ登場せず、難読漢字には現代語のルビが振られており、雰囲気を保ちながらも非常に読みやすく平易な文章を綴られているので「大正レトロ? 堅苦しそう」と思った方は、臆せず開いてみて欲しい。
もう一つの見どころは、ダンジョン…続きを読む