昭和初期×ダンジョン。なんだそりゃ!

関東大震災直後の上野(上野ですよ上野)地下に突如ダンジョンが出現。
その紀行文を書くため、インドア作家先生が編輯《へんしゅう》に追い立てられながら探索する、という設定のお話です。

大正~昭和初期の文豪風の文体ながら、読みやすい工夫がされています。
まずはダンジョンというWeb小説でおなじみの題材と、時代がかった端正な文章との奇妙な調和、そして乖離を楽しむのが宜しいかと。
テンプレをひねれば面白くなると多くの人が知っているけれど、ここまでひねれるのは職人芸。

怪作ですが、読後感も美しい。おすすめです。

その他のおすすめレビュー

狸穴醒さんの他のおすすめレビュー16